
中国語の発音が難しすぎて心が折れそう・・・
出来れば、楽しくラクにマスターしたいけど、そんな裏ワザあるの?
中国語の発音難しいですよね。
中国語の勉強を始めた頃は楽しくてしょうがなかったのに、聞き返される回数が増えるにつれどんどん憂鬱になっていきます。
私も発音では苦労しましたが、今では「an(ㄢ)」「 ang(ㄤ)」の発音はほぼ完璧に出来るようになりましたし、言い間違えたら自分でわかるレベルにまでなりました。
ですので、正しい努力をし続けていれば、必ず成果は出ますので安心して下さい。
そして、試行錯誤する中で気づいたのが下記の2点です。
“難易度別に学習すると効率がいい”
“日本語発音のままでOKな音は一つもなく、必ず中国語の発音方法で発音すること”
という事で、この記事では中国語の音を5つのレベルに分け、さらに学習する際のポイントをまとめました。
参考になれば幸いです。
この記事でわかること
中国語400音をレベル1〜5の難易度別に分けて学習する方法
より自然な中国語の発音に近づける秘訣
キレイな発音を最短で習得
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
本格的な発音の学習に入る前に
- 子音と母音の知識を頭に入れておく
- 中国語の発音・発声方法を身につけておく
本格的な発音練習に入る前に、これらを先に身につけておくと学習がよりスムーズになります。
子音と母音の知識を頭に入れておく
ゴール:「子音+母音」で構成される約400音の習得
中国語発音のゴールは、中国語を構成する音を全て通じる音で発音できるようになる事です。
そのため、ここでは ”子音+母音で構成される約400音の習得” にフォーカスしています。

子音、母音って何?
と、まだ知識がない場合は、先に「子音・母音」がどういったものなのかを勉強されてからこの記事の内容に取り組むと、より効果的に学習が可能となります。
関連記事
中国語の発音・発声方法を身につけておく
中国語には、中国語特有の発音・発声方法があります。
私は初めの頃、この部分を疎かにしていたため、「e(ㄜ)」や「 eng・(ㄥ)」、そり舌音の「zh(ㄓ)・ch(ㄔ)・sh(ㄕ)・r(ㄖ)」が上手く発音出来ませんでした。
また、

音は合っているけど、なんか聞き取りづらい・・・
と言われ続け、日本語発音のクセが強く出ていた事を知ったのでした。
日本語と中国語は音の出し方が異なるため、まずはこの部分を理解した上で発音練習に入ると、ネイティブにとって聞き取りやすい音を出すことが出来るようになります。
関連記事
≫ もう発音で挫折しない!中国語特有・発音の仕方を手に入れる!
中国語の音は5つのレベルに分類できる
さて、ここからが本題です。
色々と試行錯誤した結果、下記5つのレベルに分けて習得していくと効率が良くオススメです。
- ほぼ日本語でOKな音
- ちょっとコツが必要な音
- ピンインとローマ字読みが異なる音
- 日本語にはない音
- 日本語では区別しない音
レベル分けの方法
中国語の発音は、とにかく母音が重要。
なぜなら、音の良し悪しは、母音を発音するときの口の形に大きく左右されるからです。
よって、このレベル分けは、母音の難易度によって仕分けをしています。
①ほぼ日本語でOKな音
難易度:
単母音
a(ㄚ)・i(一)・u(ㄨ)
まずは、ほぼ日本語でOKな音です。
ただし、前述の通り、日本語と中国語とでは根本的な発音方法が異なるため、その点に気をつけるとより通じやすい音が出せるようになります。
音節表
ピンイン表 - レベル1-3※注音:ㄓ・ㄔ・ㄕ・ㄖ・ㄗ・ㄘ・ㄙは、「一」不要 例)×ㄓ一 ○ㄓ
また、発音時も「一(i)」の音は発音されないので注意
コツ
- 母音を強く発音する
日本語の場合、子音と母音がほぼ同じ強さで発音されるため、母音は子音の後ろにくっついて言い終わります。
ただし、中国語の場合は母音が強く、音が必ず母音で終わるのが特徴です。
イメージ
「ba(ㄅㄚ)」なら「バー」ではなく「ばぁ」と、子音の「b」 → 母音の「a」に音が移動して終わるイメージ

日本語の発音のまま「ba(ㄅㄚ)」を「ばー」と発音しても通じますが、音を母音で終わらせる事で、より聞き取りやすい音になりますよ。
目指す精度
- スピーキング:100%
- リスニング:100%
レベル1なので、スピーキング・リスニング共にすぐに出来るようになります。
ここはそれぞれ100%の精度を目指しましょう。
それぞれの音の練習
それぞれの音は、下記のページに注意点と合わせて詳しく解説しています。
キレイな音が出せるようになるまで、個々に練習してみて下さい。
練習する
②ちょっとコツが必要な音
難易度:
単母音
o(ㄛ)
複合母音
ai(ㄞ)・ei(ㄟ)・ao(ㄠ)・ou(ㄡ)・ia(一ㄚ)・ie(一ㄝ)・iao(一ㄠ)・ua(ㄨㄚ)・uo(ㄨㄛ)・uai(ㄨㄞ)
鼻母音
iang(一ㄤ)・ong(ㄨㄥ)
続いては、ちょっとコツが必要な音です。
音節表
ピンイン表 - レベル2
コツ1
- 複合母音は、音を区切る位置を間違えない
日本人が特に間違いやすいのが、複合母音の時に音を日本語の感覚で区切ってしまうミスです。
例えば「bai(ㄅㄞ)」
日本語だと「ba(ば)」「i(い)」に分かれるため、母音の「a」が子音の「b」にくっついてしまい「ばい」のように発音してしまいがちです。
ただし、そうなると「a」の音がとても不明瞭になり、結果的にとても聞き取りづらい音に。

正しい分け方は子音「b(ㄅ)」と母音「ai(ㄞ)」。
日本語で敢えて書くなら「ばぁい」となり、「ai」をしっかり発音する事でキレイな音に変化します。
コツ2
- 全て一音節で発音する
また、日本語だと何音節かに分けて発音する音でも、中国語では一つの音として発音しなければなりません。
例えば
「niang(ㄋ一ㄤ)」は日本語で敢えて書くなら「ニィヤン」ですが、これを一つの音として発音します。

日本語のように「ニィ」「ヤ」「ン」と区切らず、一気に発音するのがコツです!
目指す精度
- スピーキング:100%
- リスニング:100%
レベル2も、スピーキング・リスニング共に精度100%を目指せるレベルです。
何度も聞いて中国語の音に慣れるように努力しましょう。
それぞれの音の練習
それぞれの音は、下記のページに注意点と合わせて詳しく解説しています。
キレイな音が出せるようになるまで、個々に練習してみて下さい。
練習する
③ピンインとローマ字読みが異なる音
難易度:
複合母音
iu(一ㄡ)・ui(ㄨㄟ)
鼻母音
ian(一ㄢ)・un(ㄨㄣ)
ピンインで勉強している場合にやってしまいがちなのが、うっかりローマ字読みをしてしまうミスです。
音節表
ピンイン表 - レベル3
コツ1
- 「yan/ian(一ㄢ)」は、「ヤン」「イアン」ではなく、「イエン」
母音だけで発音するとき、ピンインだと「yan」なので、そのままローマ字読みで「「ヤン」と読んでしまいそうになりますが、正しくは「イエン」です。
また、子音とくっついた時も、「an(ㄢ)」につられて「(イ)アン」と発音してしまいがちですが、実際はこちらも「(イ)エン」。
例えば
「bian(ㄅ一ㄢ)」は、「ビィアン」ではなく「ビィエン」になります。

「ㄢ(an)」の発音は本来なら練習必須の音。
けれども、「i(一)」とくっついた時の「an(ㄢ)」は「エン」に音が変化するので、発音自体は簡単になります!
コツ2
- 「you/iu(一ㄡ)・wei/ui(ㄨㄟ)・wen/un(ㄨㄣ)」は、間に音が隠れている
続いては、ピンインをそのままローマ字読みしてしまっている人続出のこの3つの母音。
母音だけの場合は、ピンインもそれぞれ「you」「wei」「wen」なので問題ないのですが、これが子音とくっつくとあるはずの音が隠れてしまいます。
「you・iu(一ㄡ)」の場合
子音+母音になると、ピンインでは「o」の音が省略されて「iu」に。
ただし、発音する時は「o」を入れて「iou」と発音するので注意が必要です。

<例>
「jiu」は、「ジィゥ」ではなく「ジィォゥ(jiou)」
ただし、「ォゥ」を発音する時に口を突き出して発音するので、音は「ジィョゥ」に近い音になります。
「就」が通じないのは、そのままローマ字読みしているせいかも!?
「wei・ui(ㄨㄟ)」の場合
子音+母音になると、「e」の音が省略されて「ui」に。
ただし、発音は「e」を入れて「uei」と発音します。

<例>
「dui」は「ドゥイ」ではなく「ドゥエイ(duei)」」
「wen・un(ㄨㄣ)」の場合
子音+母音になると、「e」の音が省略されて「un」に。
けれども、こちらも発音する時に音は省略されず「e」を入れて「uen」と発音。

<例>
「dun」は「ドゥン」ではなく「ドゥエン(duen)」
目指す精度
- スピーキング:100%
- リスニング:100%
レベル3も、ピンインの正しい読み方を覚えるだけなので、スピーキング・リスニング共に精度100%を目指せます。
次から一気に難しくなるので、ここまでは完璧にしておきたいところです。
それぞれの音の練習
それぞれの音は、下記のページに注意点と合わせて詳しく解説しています。
キレイな音が出せるようになるまで、個々に練習してみて下さい。
練習する
④日本語にはない音
難易度:
単母音
e(ㄜ)・ü(ㄩ)
複合母音
er(ㄦ)・üe(ㄩㄝ)
鼻母音
en(ㄣ)・eng(ㄥ)・üan(ㄩㄢ)・ün(ㄩㄣ)・iong(ㄩㄥ)
ここから一気に難易度が上がります。
難しいですが、一度覚えてしまうとその音として認識できるようになるので、焦らずゆっくり習得していきましょう。
音節表
ピンイン表 - レベル4-3
コツ1
e(ㄜ)・eng(ㄥ)は、喉を開けるとキレイな音が出る
日本語にはない曖昧母音と呼ばれる「e」の音です。
難しそうに見えて、コツさえ掴めれば実はめちゃくちゃ簡単なのがこの音の特徴。
発音のコツは
「e」は、まず喉を開き、次に口を「え」の形にして、そのまま「お」と発音します。
(喉の開け方がわからない場合は、「音の出し方」の記事を参考にしてみてください)
ㄥ(eng)の場合も、「e」と同じ要領でそのまま「おん」と発音。
ポイントは、喉の奥の方を響かせるようにすることです。
初めの頃は、リスニングで「a(ㄚ)」や「ang(ㄤ)」との聞き分けが出来ず苦労しますが、意識する事で自然と慣れるので大丈夫です。
コツ2
「ü(ㄩ)」は、「ゆ」の口で「い」と発音
日本語の「い」と「ゆ」が混じった音「ü」も、日本人にとって難しい音の一つです。
ただし、慣れるとこちらもとっても簡単。
発音のコツは
最初に「い」と発音しながら、口の中はそのままで、唇だけ「ゆ」の形にゆっくりと持っていきます。
そうすると、「い」でも「ゆ」でもない音に。

その音こそが、「ü(ㄩ)」の音です!
目指す精度
- スピーキング:100%
- リスニング:80%
レベル4は、自分で発音する時は通じる音で発音できるようになる必要があります。
例えば、もしも「eng(ㄥ)」を「ang(ㄤ)」と言い間違えてしまった場合、全く違う単語になってしまうからです。
ただし、リスニングの場合は、精度80%くらいあれば十分。
「eng(ㄥ)」か「ang(ㄤ)」か迷っても、文脈から判断する事でカバーが可能です。
それぞれの音の練習
それぞれの音は、下記のページに注意点と合わせて詳しく解説しています。
キレイな音が出せるようになるまで、個々に練習してみて下さい。
練習する
⑤日本語では区別しない音
難易度:
鼻母音
an(ㄢ)・ang(ㄤ)・in(一ㄣ)・ing(一ㄥ)・uan(ㄨㄢ)・uang(ㄨㄤ)
そして最難関のレベル5・日本語では区別しない音です。
この音の厄介なところは、日本語では区別してこなかった音を別の音として認識しなくてはならないことです。
けれども、ネイティブからするとやはり別の音なので、なるべく正しい音に近づけるよう頑張りましょう。
音節表
ピンイン表 - レベル5
ポイント:鼻母音は前鼻音と後鼻音がある
前鼻音:an(ㄢ)・in(一ㄣ)・uan(ㄨㄢ)
後鼻音:ang(ㄤ)・ing(一ㄥ)・uang(ㄨㄤ)
鼻母音は、前鼻音と後鼻音に分ける事が出来ます。
日本語では区別しないのでこの感覚は分かりにくいですが、よく「案内(あんない)」の「あん」は「an」の前鼻音に近く、「案外(あんがい)の「あん」は「ang」の後鼻音に近い音と説明されます。
つまりこれは、私達からすると同じ音でも、ネイティブからすると区別すべき別の音という事なのです。

ちょっと何言ってるかワカリマセン・・・
もう、このレベルになると意味不明ですよね。苦笑
この2種類の音の大きな違いは、どの位置で音を響かせるかです。
コツ1:前鼻音
前鼻音:an(ㄢ)・in(一ㄣ)・uan(ㄨㄢ)は、音を鼻の前方で響かせる
まずは、前鼻音のan(ㄢ)・in(一ㄣ)・uan(ㄨㄢ)から解説していきたいと思います。
例えば「an(ㄢ)」の音
例えば「an(ㄢ)」の音ですが、実際に「案内(あんない)」と発音してみましょう。
すると、「あん」の発音をする時に音が鼻の前方で響いているように感じるのではないでしょうか。
書いて字の如く、鼻の前方から出る音なので「前鼻音」です。
よく、「an(ㄢ)」は舌で息をせき止めて出す音と説明される事が多いですが、これだけでは実は不十分です。
なぜなら、日本語の声量では音が十分に響かないからです。
前鼻音を出す時は、「an」の「n(ん)」の時に大袈裟なくらいに音を前方で響かせるよう意識しましょう。

また、前鼻音は、最初から最後まで音の高さが一定なのも特徴の一つです。
コツ2:後鼻音
後鼻音:ang(ㄤ)・ing(一ㄥ)・uang(ㄨㄤ)は、音を鼻の後方で響かせる
続いては、後鼻音のang(ㄤ)・ing(一ㄥ)・uang(ㄨㄤ)についてです。
例えば「ㄤ(ang)」の音
例えば「ang(ㄤ)」の音は、前述の通り「案外(あんがい)」の「あん」の音です。
実際に「案外」と発音すると、今度は「あん」の発音の時に音が鼻の後方で響いているように感じませんか。
これが「後鼻音」です。
この音も、舌の後ろの方を盛り上げて発音すると説明されますが、更に「ng(ん)」の時に鼻の奥の方を響かせるように意識するとよりキレイな音が出るようになります。

また、「後鼻音」は「前鼻音」のように音が一定ではなく、「ng(ん)」の時に音が少し下がるのが特徴です。
四声ほど大袈裟に下がるわけではないですが、「前鼻音」と比べた時に音が低くなるのが「後鼻音」と覚えておくと、発音の時に役立ちます。
目指す精度
- スピーキング:70%
- リスニング:聞き分けられなくてもOK
レベル5は、リスニングに関しては正直聞き分けられなくてもOK。
というのも、私の経験からいうと文脈から判断可能な事が多いので、徐々に聞き分けられるように練習するくらいの心積りで問題ないと思います。
ただし、スピーキングの場合は、正しく発音できるに越したことはありません。
「an(ㄢ)」と「ang(ㄤ)」を言い間違えて全く通じなかった悲しい経験を何度もしているので、発音する時は精度70%を目標に頑張りましょう。
それぞれの音の練習
それぞれの音は、下記のページに注意点と合わせて詳しく解説しています。
キレイな音が出せるようになるまで、個々に練習してみて下さい。
練習する
最後に
以上が、中国語の音をレベル1〜5の難易度別に分けて学習する方法でした。
レベル1〜3まではそこまで難しくないので、発音もリスニングも出来るようになっておくと会話の時に悩むことが少なくなります。
また、台湾人は「in(一ㄣ)」と「ing(一ㄥ)」を区別しないので、台湾で中国語を勉強している場合はレベル5もそこまで難しくないかもしれません。
発音はすぐに上手くなるものではないので、毎日コツコツ頑張るのみです。
参考になれば幸いです。
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