発音の基礎知識・コツ

<台湾華語・ボポモフォ(注音符号)>母音の種類と発音の仕方まとめ

2021年1月8日

ボポモフォ 母音

台湾華語・ボポモフォの母音はいくつある?

また、母音の学習で注意すべき点があれば教えて欲しいな。

 

中国語の学習でまず習得しなければならないのが、“中国語の音”です。

特に、中国語において「母音」と言うのは、音を区別するのに重要な役割を担っています。

 

そのため、母音を疎かにすると、ネイティブにとって非常に聞き取りづらい音になってしまうので注意が必要です。

 

と言う事でこの記事では、台湾で使われている発音記号・ボポモフォの母音についてまとめました。

参考になれば幸いです。

 

この記事でわかること

ボポモフォ(注音符号)母音の種類

母音の役割と発音時の注意点

※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください

 

中国語の音は「子音+母音」で構成されている

中国語の音は約400音あり、その音は「子音+母音」で構成されています。

 

母音とは?

母音の種類は「36個」

中国語の母音は全部で36個あります。

日本語で説明すると、「か・Ka」の ”a” の部分にあたるのが母音です。

因みに「か・Ka」の ”K” は子音。

 

ボポモフォの母音は実は16個

先ほど中国語の母音は36個と申し上げましたが、ボポモフォの母音は16個。

しかしながら、ピンイン同様に複合母音が存在するため、この16個の母音だけを覚えれえばOKというわけでもないのです。

 

また、辞書などはピンインのみの事が多く、出来ればボポモフォと拼音をセットで覚える事をオススメします。

 

よってこの記事では、ピンイン同様に複合母音を含めた全ての母音36個をご紹介しています。

その点だけご了承ください。

 

中国語の音は必ず母音で終わる

子音が音の出だしの部分だとすると、母音はその音を終わらせる音と言えます。

なぜなら、中国語は日本語の発音とは違い、一音節の中で音が「子音→母音」に移行して終わるからです。

 

例えば「ㄅㄚ(ba)」

例えば、「ㄅㄚ(ba)」は、日本語なら最後まで子音がくっついたまま「ばー」と言う音に。

しかし、中国語は「ば→あ」と言う風に、音が子音で始まりその後滑らかに母音に移行して終わります。

 

そして、ネイティブはこの母音を重視しているため、日本語のように軽く発音すると非常に聞き取りづらい音になってしまいます。

中国語は、母音を意識して発音することが大事!

 

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母音だけでも一つの音になる

子音は単独では発音できませんが、母音の場合は全ての音が母音単体でもひとつの音になります。

 

これは、日本語の「あいうえお」と同じですね。

母音は数が多く大変ですが、正しい音を出せるようになると発音がグッと上手になりますよ。

 

注音(ボポモフォ)母音の種類

※右にスクロール出来ます

母音

(a)

(o)

(e)

(i)

(u)

(ü)

単母音 基本母音

(a)

(o)

(e)

(i)

(u)

(ü)

特殊母音 (er)
複合母音 二重母音 (ai)

(ao)

(ou) (ei) 一ㄚ(ia)

一ㄛ(yo)

一ㄝ(ie)

ㄨㄚ(ua)

ㄨㄛ(uo)

ㄩㄝ(üe)
三重母音 一ㄠ(iao)

一ㄡ(iu)

ㄨㄞ(uai)

ㄨㄟ(ui)

鼻母音

n型

(前鼻音)

(an) (en) 一ㄢ(ian)

一ㄣ(in)

ㄨㄢ(uan)

ㄨㄣ(un)

ㄩㄢan)

ㄩㄣ(ün)

ng型

(後鼻音)

(ang) (eng) 一ㄤ(iang)

一ㄥ(ing)

ㄨㄤ(uang)

ㄨㄥ(ong)

ㄩㄥ(iong)

※母音の種類は、拼音を元に二重母音・三重母音と分類しています。

 

母音の発音は、口の形が重要になります!

それぞれの口の形を意識しながら学習していきましょう。

 

単母音

ボポモフォ 単母音

基本母音

ㄚ:a

口の形:日本語の「あ」よりもっと下顎を下げて大きく開く

発音の仕方:そのまま「あー」と喉の奥から声を出す

 

ㄛ:o

口の形:日本語の「う」くらい唇を丸くすぼめて突き出す

発音の仕方:そのまま「おー」と口の中で音を響かせる

 

「う」の口で「お」と発音するため、日本語の「う」と「お」のちょうど中間くらいの音になります。

 

ㄜ:e

口の形:日本語の「え」の口を準備

発音の仕方:その「え」の口のまま喉の奥から「おー」と発音

 

日本語にはない音なので練習必須です。

コツは「え」の口を作り「お」と発音すること。

 

そうすると、喉の奥の辺りから、「あ」のような「お」の音が出ませんか?

その低い音が、「ㄜ:e」の音です。

 

一:i / yi

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま「いー」と発音

 

ㄨ:u / wu

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま「うー」と発音

 

ㄩ:ü / yu

口の形:口を少し突き出して日本語の「ゆ」の口を準備

発音の仕方:その「ゆ」の口のまま、「いー」と発音

 

日本語にはない音なので練習必須です。

コツは「ゆ」の口を作り「い」と発音すること。

そうすると、口の中の形は「い」の状態ですが、唇は「う」の形になります。

 

発音してみると、”い”と”ゆ”の中間くらいの音になっていませんか?

その音が「ㄩ:ü」の音です。

 

特殊母音

ㄦ:er

口の形:口を半開きにして準備

発音の仕方:喉の奥の方から「あ」と発音しながら舌を巻く

 

この音は単独で発音します。(子音と組み合わせて発音しない)

ポイントは、まずは舌を巻かずに「あー」と発音し、その後途中で舌を巻いて音を変化させることです。

 

また、舌を巻いたときに、舌先はどこにも触れないように注意します。

因みに、台湾の中国語は、語尾に「ㄦ(er)」の発音をつける「ㄦ化(r化)」がないのが特徴です。

ただし、「兒子(ㄦˊ ㄗˇ)」など、この音を使った単語は存在するので、ちゃんと発音できるようなっておきましょう。

 

複合母音

ボポモフォ 複合母音

続いては、母音が二つ以上組み合わさって発音される複合母音です。

因みに、複合母音には「二重母音」と「三重母音」があります。

 

日本語だと2音節として発音される音も、中国語では1音節として発音。

コツは、音を分けずに滑らかに一つの音として発音することです。

 

二重母音

まずは、二重母音からです。

 

ㄞ:ai

口の形:日本語の「あ」よりも下顎を下げて大きく開く

発音の仕方:そのまま滑らかに「あぃ」と発音

前の音を強く:最初の「あ」の音を強く発音する

 

日本語だと、「あい」は「あ」+「い」の2音節という考え方です。

しかし中国語の場合、この「ㄞ:ai」は1音節のため、「あ」と「い」を別々に発音しません。

 

また、この「ㄞ:ai」は最初の音を強く発音します。

「あぃ」という風に、「あ」を強く発音した後ろに「い」を小さくくっつけて発音すると◎。

 

ㄠ:ao

口の形:日本語の「あ」よりも下顎を下げて大きく開く

発音の仕方:そのまま滑らかに「あぉ」と発音し、「お」の時に日本語の「う」の口くらい口を突き出す

前の音を強く:最初の「あ」の音を強く発音する

 

「あぉ」という風に「あ」を強く発音。

日本語の「お」よりも口を突き出すので、「あぉ」よりは「あぅ」に近い音になります。

 

ㄡ:ou

口の形:口を思いっきりすぼめ突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「おぅ」と発音

前の音を強く:最初の「お」の音を強く発音する

 

「お」を強く「おぅ」と発音。

「お」を口を突き出して発音するので、日本語の「おぅ」ほど、「お」と「う」を区別して発音しません。

 

ㄟ:ei

口の形:日本語の「え」よりもう少し口を横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「えぃ」と発音

前の音を強く:最初の「え」の音を強く発音する

 

拼音だと「ei」と表記されるため、単母音の「e」の音と思われがちですが、複合母音の時の「e」は日本語の「え」に近い音になります。

母音の時の「e:ㄜ」とは異なるので、その点だけ注意しましょう。

 

一ㄚ:ia / ya

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぃあ」と発音

後の音を強く:後ろの「あ」の音を強く発音する

 

「ぃあ」という風に、後ろの「あ」の音を強く発音。

「い」の口で「ぃあ」と発音するため、「あ」は「や」に近い音になり「ぃや」という風に聞こえます。

 

ただし、日本語の「やー」ではないので注意しましょう。

必ず最初に小さく「ぃ」を発音すること!

 

一ㄛ:yo

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぃお」と発音

後の音を強く:後ろの「お」の音を強く発音する

 

「い」の口で「ぉ」を発音するので「ぃよ」に近い音になります。

日本語の「よ」ではないので要注意!

 

また、この「一ㄛ:yo」は台湾の語気助詞によく使われ、普通話にはない音になります。

そのため、普通話から中国語の学習に入った場合は、この音も追加で覚えるようにしましょう。

 

一ㄝ:ie / ye

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぃえ」と発音

後の音を強く:後ろの「え」の音を強く発音する

 

後ろの「え」を強く「ぃえ」と発音。

 

ㄨㄚ:ua / wa

口の形:日本語の「う」の口→「あ」の口へ

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぅあ」と発音

後の音を強く:後ろの「あ」の音を強く発音する

 

「う」の口→「あ」の口へ移行しながら発音するので、「あ」は「わ」に近い音になり「ぅわ」という風に聞こえます。

ただし、日本語の「わー」ではないので注意。

必ず最初に小さく「ぅ」と発音することを忘れずに!

 

ㄨㄛ:uo / wo

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぅお」と発音

後の音を強く:後ろの「お」の音を強く発音する

 

「う」の口で「ぅお」と発音するため、「お」は「を」に近い音になり「ぅを」という風に聞こえます。

ただし、日本語の「を」ではなく「ぅ」を小さく最初に発音する必要があるので注意しましょう。

 

ㄩㄝ:üe / yue

口の形:口を少し突き出して日本語の「ゆ」の口を準備

発音の仕方:口を突き出したまま滑らかに「ぃえ」と発音

後の音を強く:後ろの「え」の音を強く発音する

 

この音は日本語にない「ㄩ:ü」の音から始まります。

コツは、口を突き出して「ゆ」の口の形を作り、そのまま「ぃえ」と発音することです。

 

そうすると「ぃえ」と「ゅえ」のちょうど中間の「ㄩㄝ:üe」の音になりますよ。

 

三重母音

三重母音も、二重母音同様に1音節で発音します。

また、三重母音の場合は真ん中の音を強く発音するのがポイントです。

 

一ㄠ:iao / yao

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぃあぉ」と発音

真ん中の音を強く:真ん中の「あ」の音を強く発音する

 

まず、口を横に引いて軽く「い」と発音し、そのまま少し下顎を下げて「あ」、最後に口をすぼめて「お」と発音します。

コツは、この動作を一つの音(1音節)として滑らかに発音することです。

 

口を突き出して発音するので、「ぃあぉ」よりは「ぃやぉ」もしくは「ぃやぅ」のように聞こえます。

ただし、「やお」ではなく、必ず「ぃ」の音を発音するのがポイント!

また、「ぃあぉ」という風に真ん中の「あ」を強く発音しましょう。

 

一ㄡ:iu / you

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:口を突き出しながら滑らかに「ぃおぅ」と発音

真ん中の音を強く:真ん中の「お」の音を強く発音する

 

「い」と発音したらゆっくりと口を突き出して「おぅ」と発音。

日本語の「よう」のように聞こえますが、最初に「ぃ」の音が入るのでどちらかというと「ぃよぅ」に近い音になります。

 

ココに注意

ピンインだと「iu」と表記されるため、「o」の音を発音せずにそのままローマ字読みをしてしまいがちです。

けれども、この発音は「iou」と発音するのが正しく、表記と実際の音が異なるのでピンインで勉強をされている方は注意が必要です。

 

ㄨㄞ:uai / wai

口の形:日本語の「う」の口→「あ」の口へ

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぅあぃ」と発音

真ん中の音を強く:真ん中の「あ」の音を強く発音する

 

口をすぼめて「う」、口を開いて「あぃ」発音します。

コツは、この動作を一つの音(1音節)として滑らかに発音することです。

 

「う」の口→「あ」の口へ移行しながら発音するので、「ぅあぃ」よりは「ぅわぃ」のように聞こえます。

ただし、「わい」ではないので注意。

また、「ぅあぃ」という風に真ん中の「あ」を強く発音しましょう。

 

ㄨㄟ:ui / wei

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぅえぃ」と発音

真ん中の音を強く:真ん中の「え」の音を強く発音する

 

「う」と発音したらゆっくりと口を引いて「えぃ」と発音。

 

ココに注意

ピンインだと「ui」と表記されるため、「e」の音を発音せずにそのままローマ字読みをしてしまいがちです。

けれども、この発音は「uei」と発音するのが正しく、表記と実際の音が異なるのでピンインで勉強をされている方は注意が必要です。

 

鼻音

ボポモフォ 鼻母音 

最後に鼻音です。

鼻音は、「前鼻音(n型)」と「後鼻音(ng型)」があり、日本語では区別しませんが中国語では区別する必要があります。

 

コツは、意識すること!

そうすると、段々と音の違いがわかるようになってきます。

 

前鼻音(n型)

前鼻音の「n型」は、「案内(あんない)」の「ん」の音です。

「ん」と発音する時に舌先を上の歯の裏に押し当て、鼻の前方で音を響かせるのがポイントです。

 

ㄢ:an

口の形:日本語の「あ」よりもっと下顎を下げて大きく開く

発音の仕方:そのまま滑らかに「あん」と発音し、「ん」の時に上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

「あん」の「ん」の音を発音するときに、舌を上の歯の裏に押し当て口を少し閉じます。

 

コツは、鼻の前方で音を響かせること。

そうすると「あ」と「ん」の音の強さがほぼ同じになり、キレイな音が出ます。

 

ㄣ:en

口の形:日本語の「え」の口

発音の仕方:そのまま滑らかに「あん」と発音し、「ん」の時に上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

この音は、日本語の「えん」の発音の「え」の音より「あ」の音に近くなります。

どちらかというと英語の「æ」の音に近く、「え」の口で「あん」と発音するとキレイな音が出ます。

 

また、この音も「ㄢ」と同様に舌を上の歯の裏に押し当て口を少し閉じて発音します。

 

コツは「え」と「ん」を同じ強さで発音し、音を前方で響かせること

 

一ㄢ:Ian / yan

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「いえん」と発音し、「ん」の時に上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

この音は「いえん」と発音し、「いあん」ではありません。

表記は「ㄢ(ian)」ですが、この「ㄢ(an)」は音が変化します。

表記通りにそのまま読んでしまわないよう注意しましょう。

 

また、「ん」の発音をするときは、舌を上の歯の裏に押し当て口を少し閉じて発音するのがポイントです。

 

一ㄣ:in / yin

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「いん」と発音し、「ん」の時に上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

「ん」を発音する時に舌を前歯の裏に押し当て、音を鼻の前方で響かせるように意識します。

コツは「い」と「ん」を同じ強さで発音することです。

 

ㄨㄢ:uan / wan

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「うあん」と発音し、「ん」の時に舌を上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

まず、口をすぼめて「う」、そのまま大きく口を開いて「あ」、最後に舌を上の歯の裏に押し当て「ん」と発音します。

また、この音も「ㄢ」と同様に舌を上の歯の裏に押し当て口を少し閉じて発音します。

 

コツは「う」と「あん」を同じ強さで発音し、音を前方で響かせること

 

ㄨㄣ:un / wen

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「え」の口に移行しながら「うあん」と発音し、「ん」の時に舌を上の歯の裏に押し当てる

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

口をすぼめて「う」、次に「え」の口を作り「あん」と発音すると◎。

「ㄣ」の発音は、日本語の「えん」よりも「え」の音が「あ」に近くなります。

 

ココに注意

ピンインだと「un」と表記されるため、「e」の音を発音せずにそのままローマ字読みをしてしまいがちです。

けれども、この発音は「uen」と発音するのが正しく、表記と実際の音が異なるのでピンインで勉強をされている方は注意が必要です。

 

ㄩㄢ:üan / yuan

口の形:口を少し突き出して日本語の「ゆ」の口を準備

発音の仕方:口を突き出したまま滑らかに「いえん」と発音

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

この音は日本語にない「ㄩ:ü」の音から始まります。

コツは、口を突き出して「ゆ」の口の形を作り、そのまま「いえん」と発音することです。

 

また、表記は「ㄩㄢ:üan」なので「ㄢ:an」の音と思いがちですが、表記と実際の音が異なるので注意しましょう。

(i)」と「ㄩ(ü)」にくっつく「ㄢ(an)は、「あん」ではなく「えん」の音になる!

 

ㄩㄣ:ün / yun

口の形:口を少し突き出して日本語の「ゆ」の口を準備

発音の仕方:口を突き出したまま滑らかに「いん」と発音

前鼻音:鼻の前方で音を響かせる

 

これも、日本語にない「ㄩ:ü」から始まる音です。

コツは、口を突き出して「ゆ」の口の形を作り、そのまま「いん」と発音すること。

 

後鼻音(ng型)

後鼻音の「ng型」は、「案外(あんがい)」の「ん」の音です。

または、ドラえもんの歌の ”あん あん あん とっても大好き~ドラえもん♪” の三番目の「あん」の音。

 

ポイントは、「ん」と発音する時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぎ、鼻の後方で音を響かせることです。

 

ㄤ:ang

口の形:日本語の「あ」よりもっと下顎を下げて大きく開く

発音の仕方:そのまま滑らかに「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

「あん」の「ん」の音を発音するときに、舌の奥を持ち上げて喉を塞ぎます。

 

コツは、鼻の後方で音を響かせること

そうすると、「ん」の音が「あ」に比べ少し小さくなり、また音程が「ん」の時に若干下がります。

 

ㄥ:eng

口の形:日本語の「え」の口を準備

発音の仕方:その「え」の口のまま喉の奥から「おん」と発音

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

日本語にはない音なので練習必須です。

コツは「え」の口を作り「おん」と発音すること。

 

舌は「ㄤ」と同様に、舌の後ろが盛り上がっている状態で発音します。

また、喉の奥を響響かせるため、こもった「おん」に近い音になります。

 

一ㄤ:iang / yang

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「ぃあん」と発音

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

「ん」を発音するときに、舌の奥を持ち上げます。

「い」の口で「いあん」と発音するので、「あ」が「や」に近い音になり「いやん」という風に聞こえます。

 

ただし、日本語の「やん」ではないので注意しましょう。

必ず最初に小さく「ぃ」を発音すること!

 

一ㄥ:ing / ying

口の形:日本語の「い」よりも口をもっと横に引く

発音の仕方:そのまま滑らかに「いん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐ

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

「ん」を発音する時に舌の奥を持ち上げて、音を鼻の後方で響かせるように意識します。

 

コツは、「ん」の発音を「い」よりも少し小さく発音し、また音程を「い」よりも若干下げることです。

「一ㄣ(in)」との区別が難しいですが、実は台湾では「一ㄣ(in)」と「一ㄥ(ing)」をはっきり区別しないのでそこまで神経質にならなくても大丈夫です。

 

ㄨㄤ:uang / wang

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま滑らかに「うあん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐ

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

「ん」を発音する時に舌の奥を持ち上げて、音を鼻の後方で響かせるように意識します。

 

コツは、「ㄤ(ang)」の発音の時に、「ん」の音を「あ」よりも少し小さく発音し、また音程を「あ」よりも若干下げることです。

 

ㄨㄥ:ong / weng

※この音は、母音単体の時の音と子音を組み合わせた時の音が異なるので注意が必要です

<母音単体の時(weng)>

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:「う」→「え」の口に持っていきながら「ぅおん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐ

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

母音単体の場合は、「ㄨ(u)」から滑らかに「ㄥ(eng)」の発音に持っていくので、「ぅおん」という風に最初に「ぅ」を発音します。

また、「ㄥ(eng)」は「え」の口で発音するため、音が少し籠もって「ぅをん」のように聞こえます。

 

<子音と組み合わせた時(ong)>

口の形:日本語の「う」よりももっと口を突き出す

発音の仕方:そのまま「おん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐ

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

子音とセットの場合は、拼音でも「ong」と表記され、音が「おん」に変化します。

「ぅ」は発音しないので注意しましょう。

 

ㄩㄥ:iong / yong

口の形:口を少し突き出して日本語の「ゆ」の口を準備

発音の仕方:そのまま滑らかに「いおん」と発音

後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

 

「ゆ」の口で「い」と言い、口を突き出したまま「ㄥ」の発音にもっていきます。

 

「ㄥ」の音は本来、「え」の口で「おん」と発音する音です。

しかし、この音の場合は口を突き出したまま、舌の奥を持ち上げて鼻に息を通しながら発音します。

 

日本語の「よん」に近い音に聞こえますが、最初に「ㄩ」の音を小さく入れるのがポイントです。

 

以上が、母音の種類と発音の仕方でした。

参考になれば幸いです。

 

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