
こんなに努力しているのに、中国語の発音が全く通じないのはなぜだろう?
キレイな発音を身につけて、楽しく会話ができるようになりたい。
発音が通じないと、地味に落ち込みますよね。
でもそれは、もしかすると日本語特有の発音のクセが強く出ているために通じないのかもしれません。
私もそうでしたが、発音で挫折する多くは、日本語を発音するように中国語を発音してもOKだと勘違いしていることにあります。
しかしながら、中国語には中国語特有の発音・発声方法があり、これをマスターしない限り通じる発音にはなりません。
という事でこの記事では、中国語特有の発音・発声方法についてまとめました。
中国語と日本語の違いを知り、通じる発音を手に入れましょう。
この記事でわかること
中国語と日本語の発音・発声方法の違い
ネイティブに通じるレベルの発音に改善
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
日本語発音のクセが出てしまっている
- 中国語には、中国語特有の発声・発音のクセがある
- 日本語発音のままではダメ
もしも、会話の最中に頻繁に聞き返されてしまう場合、それは日本語発音特有のクセが色濃く出てしまっているからかもしれません。
このクセは実はものすごく厄介なのです。
母国語のクセが強い発音は聞き取りづらい
例えば、日本語をほとんど話した事がない台湾人に、日本語の文を読み上げてもらうと分かりやすいでしょう。
明らかに、日本人が発音する音とは違う事がわかるはずです。
これは、

中国語の発音・発声方法のまま日本語の文を読み上げたために、なんか違う・もしくは全く理解できない状態になっているのです。
逆に、私達が日本語を発音するように中国語を発音した場合でも、同じような現象が起こります。
要は、非常に聞き取りにくい音になってしまっているのです。
中国語には中国語発音のクセがある
英語には英語の発音方法が日本語には日本語の発音方法があるように、中国語には中国語を話すために必須の発音・発声方法があります。
この事を知らないがために、多くの人が中国語の音を上手く出せずに苦労しているのです。
裏を返せば、これらを身につけることによって、より簡単に中国語の音をマスターする事が可能となります。
以下に、中国語と日本語の発音で大きく異なる4つのポイントについてまとめましたので、参考にしてみてください。
中国語の発声・発音方法4つのポイント
- 中国語の「口の形・喉・息の量」をマスターする
- 1音節で発音する
- 母音で音を終わらせる(声調は母音にだけある)
- 複母音のとき区切る位置を間違えない
それぞれ詳しく解説していきます。
①中国語の発声方法「口・喉・息の量」
まず、中国語と日本語で大きく違うのが、発声方法です。
日本語は喉を閉めてボソボソと発音するのに対し、中国語は喉を開けて声を響かせて発音します。
つまり、デフォルトの「口の形・喉・息の量」というのが、そもそも異なるのです。
このことを理解しないままに中国語の音を無理やり出そうとしても、音が安定しません。

台湾人の声って何であんなに大きいんだろう?
と感じた事はありませんか。
これは、喉を開いて発声しているために、必然的に声量が大きくなるからです。
特に、母音「ㄜ(e)」「ㄥ(eng)」は喉が開いてないと上手く出す事ができないので、ご注意ください。
デフォルトの口の状態
- 口の形:日本語の「い」の口
- 喉:ガラガラうがいの時の喉のように開ける
- 息:お腹から思いっきり出す
- 音:口の中で響かせて前に出す
中国語で意識すべきデフォルトの口の状態は上記です。
発音の勉強を始める前に、中国語の発声方法が正しくできるようになっておくと、難しいと言われる音が楽にキレイに出せるようになりますよ。
詳細は別記事にまとめましたので、出来てなかったかも!という場合は、そちらをご参照ください。
詳しくは
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②1音節で発音する
2つ目のポイントは、音節についてです。
例えば、「ㄅ一ㄠ・biao」という音。
日本語で敢えて書くなら「ビィヤオ」となり、更に音節で分けると日本語の場合は「ビィ」「ヤ」「オ」の3つの音(3音節)になります。
でも、中国語は、この音を1つの音(1音節)として発音します。
コツは、スムーズに一気に「ビィヤオ」と発音すること。
例
日本語の場合(3音節)
中国語の場合(1音節)
日本語とは音に対する概念が異なるため初めは戸惑うと思いますが、中国語はこういうものだと理解しましょう。
③母音で音を終わらせる(声調は母音にだけある)
3つ目は、「母音」についてです。

たかが「母音」と思われるかもしれませんが、中国語の母音は超重要です!
日本語は子音と母音がほぼ同じ強さで発音されますが、中国語の場合は1音節の中で音が「子音→母音」に移行して終わります。
つまり、最終的に聞こえる音は「母音」だけなのです。
声調で音程を変化させるのは母音の役割
これはどういう事かと言うと、子音はあくまで出だしの音であり、音程を変化させるのは母音であるということです。
分かりやすいように図で表すと、下記のようになります。
例の図
「ㄎㄚ・ka」の2声の場合
私は何度も「何か違う」と言われ続け、最終的にたどり着いた答えが「声調の最後の音程を母音で終わらせること」でした。
比べてみると
「ㄎㄚ・ka」と「か」の音で、中国語と日本語を聞き比べてみましょう。
- 子音:ㄎ(k)
- 母音:ㄚ(a)
日本語の「か」
中国語の「ka」
聞いてわかる通り、日本語の場合は、子音と母音がほぼ同じ強さで発音されています。
一方で、中国語は最後の音程が母音のみで終わっています。
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通じない原因
中国語を長らく勉強しているのに通じにくいのは、日本語発音の癖が出てしまっている可能性大。
つまり、日本語と同じように、子音と母音を最後まで同じ強さで発音してしまっているがゆえに、相手がどの音か判断出来ないためと考えられます。
特に、「ㄢ(an)」 や「ㄣ(en)」の音は、この母音がはっきり聞こえるかどうかで「ㄤ(ang)」や「ㄥ(eng)」と区別しているのでとても重要。
音・声調・文法は合っているはずなのに聞き返される場合は、声調の最後の音程を母音で終わらせることを意識してみるといいかもしれません。
④複母音のとき区切る位置を間違えない
最後も「母音」についてですが、こちらは複母音になった時の注意点です。
因みに複母音とは、1音節の中に母音が2つ以上入っている音のことを指します。
例えば、「ㄠ(ao)」や「一ㄠ(iao)」など。
そして、この複母音の時に、日本語の感覚で区切って発音してしまうため、ネイティブからすると非常に聞き取りにくい音になっている事があります。
例
例えば、「ㄎㄞ・kai 」。
- 日本語:「ka(か)」と「i(い)」
- 中国語:子音「ㄎ・k」と母音「ㄞ・ai」
日本語だと「ka(か)」「i(い)」に分かれるため、母音の「a」が子音の「k」にくっついてしまい「かい」のように発音してしまいがちです。
ただし、そうなると「a」の音がとても不明瞭になり、結果としてとても聞き取りづらい音になります。
日本語の「かい」
中国語の「ㄎㄞ・kai」
子音と母音に分ける
正しい分け方は子音「ㄎ・k」と母音「ㄞ・ai」。
日本語で敢えて書くなら「かぁい」となり、「ai」をしっかり発音する事で聞き取りやすい音へと一気に変化します。
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おさらい
中国語発音特有の癖をマスター
- 中国語の「口の形・喉・息の量」をマスターする
- 1音節で発音する
- 母音で音を終わらせる(声調は母音にだけある)
- 複母音のとき区切る位置を間違えない
以上が、中国語の発音・発声方法についてでした。
台湾人との会話の中でよく聞き返される・・・という場合は、上記を意識してみると良いかもしれません。
参考になれば幸いです。
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