
中国語の学習はまずは発音からって本当?
中国語発音の構成要素と、効率的な発音の勉強方法が知りたいな。
中国語の学習をいざ始めようとすると、
「まずは発音から!発音が何より大事!」とどの参考書にも書かれています。
その理由は明確で、会話が全て“音”で成り立っているからです。
すなわち、正しい中国語の音が出せなければ、読むことは出来てもスピーキングは通じない・リスニングは出来ないという状態になってしまうのです。
ということでこの記事では、中国語の音の構成と、効率的な発音の学習方法についてまとめました。
最初にある程度のレベルまで発音を極めておくと、後の学習がとても楽になりますよ。
この記事でわかること
中国語発音の構成要素と効率的な発音の勉強方法
発音習得のゴールまでの道筋がわかる
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
中国語の音の構成
音の構成
- 音を表す:子音と母音
- 音程を表す:声調
中国語の音は、音を表す ”子音・母音” と、音程を表す ”声調” で構成されています。
ピンインとは?
ピンインとは、上の図のように「子音・母音・声調」を、アルファベットを使って表した中国語の発音記号のこと。
これは、日本語でいうところの「読み仮名」にあたり、漢字を正確に読むための記号です。

では、台湾でよく聞く、注音符号とは?
注音符号とは、主に台湾で使われている発音記号のことで、このような「ㄅㄆㄇㄈ」という特殊な文字を使ったものです。
また、頭文字4文字「ㄅㄆㄇㄈ」から ”ボポモフォ” とも呼ばれています。
つまり、ピンイン・注音符号のどちらも発音記号というわけです。
音は子音と母音で構成されている
まずはピンイン(注音)の「音」の部分について解説していきます。
中国語の音は、「子音」と「母音」の組み合わせで一つの音を構成しています。
子音:21個
中国語の子音は全部で21個
日本語で説明すると、「か・Ka」の ”K” の部分が子音。
また、中国語における子音の役割は、音を作る上で重要な出だしの部分です。
なぜなら、中国語は日本語の発音とは違い、一音節の中で音が「子音→母音」に移行して終わるからです。
母音:36個
中国語の母音は全部で36個
続いて母音ですが、日本語だと「か・Ka」の ”a” の部分が母音です。
子音が音を作る出だしの部分だとすると、母音はその音を終わらせる音と言えます。
中国語の音は全部で約400音
「子音+母音」で構成さた音の組み合わせは、全部で約400音
この約400の音を全て正しく発音できるようになってはじめて「音の習得のゴールに到達出来た」ことになります。
因みに、日本語の音は約100音なので、400音と聞くととても多く感じるかもしれません。
ただし、

どれか一つでも間違えて覚えてしまっていると、結果的に通じない原因に。
そうなってしまうと、また一から覚え直しになるので、最初に正しく発音できるようになっておく事が、結果的に中国語習得の近道となります。
声調とは?
中国語は、子音と母音の他に、音程を表す “声調” があります。
これは、音の上がり下がり・高低をつけて、音を区別するためのものです。
というのも、中国語は同じ音で音程(声調)の異なる単語が多数存在するため、声調の習得は必要不可欠。
例えば
日本語でも「雨」と「飴」のように、同じ音でも音程を変えて違う単語を表す事があります。
日本語だと数が少ないですが、中国語はこのケースが多数あり、声調を間違うと全く違う意味として捉えられてしまうことも。
よって、中国語を学ぶ上で声調は、音を学ぶのと同じくらい重要です。
声調の種類
第一声 | 第二声 | 第三声 | 第四声 | 軽声 | |
ピンイン | ˉ | ˊ | ˇ | ˋ | 無し |
注音符号 | 無し | ˊ | ˇ | ˋ | ˙ |
声調は全部で4種類(一声〜四声)あるので、「四声」とも言われます。
また、4声に属さない「軽声」と言われる発音があり、これは文字通り軽く発音する音で、軽声の前にある声調によって音程が変わります。
※ピンインと注音符号(ボポモフォ)では、声調の表記に違いがあるのでご注意ください(上記表を参照)

「子音・母音」と「声調」を正しく発音できないと、単語を正確に読むことは出来ない。
発音練習の前に
- 中国語の発音・発声方法を身につけておく
そもそも、中国語の発音は日本語の音の出し方とは異なるため、日本語を発音するように中国語を発音してもキレイな音は出ません。
英語でよく、日本語訛りがあり分かりづらいと言われるのと同じ状況です。
中国語には、中国語特有の発音・発声方法があることをまず理解しましょう。
という私は、初めの頃この部分を疎かにしていたため、「e(ㄜ)」や「 eng・(ㄥ)」などの音が上手く発音出来ませんでした。
また、

音は合っているけど、なんか聞き取りづらい・・・
と言われ続け、日本語特有のクセが強く出過ぎていた事を知ったのでした。
初めに中国語の音の出し方を学んだ上で発音練習に入ると、より聞き取りやすい音を出すことが出来るようになりますよ。
詳しくは
≫ もう発音で挫折しない!中国語特有・発音の仕方を手に入れる!
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Checkもう発音で挫折しない!中国語特有の”発音の仕方”を手に入れる!
発音が通じないと、地味に落ち込みますよね。 でもそれは、もしかすると日本語特有の発音のクセが強く出ているために通じないのかもしれません。 私もそうでしたが、発音で挫折する多 ...
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オススメの発音習得の順番
発音習得のゴール
- 音を表す:子音+母音の組み合わせ約400音
- 音程を表す:声調
発音習得のゴールは、「子音+母音の組み合わせ約400音」と「声調」を、ネイティブに通じるレベルで習得することです。
そのためのオススメの学習手順は下記の通り。
子音+母音の組み合わせを学習
子音・母音・声調の学習が終わったら、いよいよ400音を順番に覚えていきましょう。
ますは音の種類の把握から。
400音は、レベル別に学習するとより効率的です。
音の種類を把握したら、レベル別に順番に学習していくと◎
単語や文法の学習へ
400音と声調を正しく発音出来るようになったらゴールです!
あとは、テキストを使った学習へと移っていきましょう。
発音習得の際の注意点
注意すること
- 発音習得が終わるまで単語・文の暗記はしないこと
- 文法の勉強は理解するに留めておく
発音の学習というのは、正直なところ退屈です・・・
そのため、発音の習得が完了する前に単語や文の暗記に移行してしまいがち。
でも、ここは先に進みたくなる気持ちをグッと抑えて、まずは発音に集中しましょう。
なぜなら、発音を覚える前に単語や文を覚えてしまうと、その単語と文は発音しても通じない可能性が高いからです。

通じない単語をどんなに頑張ってたくさん覚えても、結局通じない単語が増えていくだけ・・・。
これは、何を隠そう発音が通じないと悩んでいた昔の私の事です。
こうならないためにも、まず最初に発音を身につけること。
そうすれば、必ず後々の中国語の学習が楽になりますよ。
参考になれば幸いです。