
台湾華語・ボポモフォの子音はいくつある?
また、子音の学習で注意すべき点があれば教えて欲しいな。
中国語の学習でまず習得しなければならないのが、“中国語の音”です。
中国語の1音節(一つの音)は、日本語と同じように「子音+母音」で構成されており、子音は音の出だしの部分と言えます。
また、子音の発音で特に重要なのが「舌の位置・息の出し方」です。
発音の際は、この点に注意して練習してみてくださいね。
という事でこの記事では、台湾で使われている発音記号・ボポモフォの子音についてまとめました。
参考になれば幸いです。
この記事でわかること
ボポモフォ(注音符号)子音の種類
子音の役割と発音の仕方
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
中国語の音は「子音+母音」で構成されている
中国語の音は約400音あり、その音は「子音+母音」で構成されています。
子音とは?
子音の種類は「21個」
中国語の子音は全部で21個あります。
日本語で説明すると、「か・Ka」の ”K” の部分にあたるのが子音です。
因みに「か・Ka」の ”a” は母音。
音の出だしの部分
子音は、音の出だしの部分です。
と言うのも、中国語は日本語の発音とは違い、一音節の中で音が「子音→母音」に移行して終わるからです。
例えば「ㄅㄚ(ba)」
例えば、「ㄅㄚ(ba)」は、日本語なら最後まで子音がくっついたまま「ばー」と言う音に。
しかし、中国語は「ば→あ」と言う風に、音が子音で始まりその後滑らかに母音に移行して終わります。

そのため、子音は音を作る上で重要な出だしの部分と言えます。
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子音は単独では発音できない
母音は全ての音が母音単体でもひとつの音になりますが、子音の場合は単独では発音できません。
これは日本語でも同じですね。
よって、子音の学習に多大な時間を割く必要はないと個人的には感じています。
母音と組み合わせた時に正しい音が出せるように、ここでは子音の役割をしっかり理解しておきましょう。
注音(ボポモフォ)子音の種類
無気音 | 有気音 | 鼻音 | 摩擦音 | 側面音 | |
両唇音 | ㄅ:b | ㄆ:p | ㄇ:m | ||
唇歯音 | ㄈ:f | ||||
舌尖音 | ㄉ:d | ㄊ:t | ㄋ:n | ㄌ:l | |
舌根音 | ㄍ:g | ㄎ:k | ㄏ:h | ||
舌面音 | ㄐ:j | ㄑ:q | ㄒ:x | ||
反舌音 | ㄓ:zh | ㄔ:ch | ㄕ:sh
ㄖ:r |
||
舌歯音 | ㄗ:z | ㄘ:c | ㄙ:s |

子音の発音は、舌の位置・息の出し方が特に重要です。
【両唇音】ㄅ:b ㄆ:p ㄇ:m
両唇音:上唇と下唇を使って出す音
形:両唇を「え」の口の幅にした状態で「ん」と閉じる
ㄅ:b(無気音)
コツ:無気音なので、息を外に出さず口の中で響かせるイメージ
この「ㄅ:b」は母音「ㄛ・o」をくっつけると、日本語の「ぶぉ」に似た音になります。
コツは、口を閉じて開ける瞬間に音を出すこと。
ただし、この「ㄅ」の音は、無気音なので息を外に出しません。
あくまで口の中で音を響かせるイメージです。
ㄆ:p(有気音)
コツ:有気音なので、息を意識的に強く吐きながら発音
「ㄆ:p」は、母音「ㄛ・o」をくっつけると日本語の「ぷぉ」に似た音になります。
口を閉じて開ける瞬間に出す音ですが、口を開ける瞬間に息を強く吐きながら発音するのがコツ。
どちらかと言うと、英語の「P」の発音に近いです。
練習する時は、ティッシュを1枚口の前に準備し、「ㄆㄛ(po)」と発音した時にテッシュが息で揺れたら合格です。

中国語の有気音は、息の音が聞こえるかどうかで聞き分ける音です。
そのため、日本語の「ぽ」では息が足らず「ㄆ」の音と判断されないため、強めに思いっきり息を吐く事が重要です。
ㄇ:m(鼻音)
コツ:鼻音は息を鼻に通して発音する
「ㄇ:m」は、母音「ㄛ・o」をくっつけると日本語の「むぉ」に似た音になります。
コツは、息を鼻に通して出すこと。
日本語の「も」よりも更に力を入れて、英語の「m」の発音のように小さく”ん”の音を前に入れて発音するイメージです。
【唇歯音】ㄈ:f
両歯音:上の歯と下唇を使って出す
形:両唇を「え」の口の幅にした状態で、上の歯を下唇に軽くタッチ
ㄈ:f(摩擦音)
コツ:上の前歯と下唇との間に狭い隙間を作って息を出す
英語の「F」の音の出し方と同じで、下唇の内側を上の前歯で軽く噛んだ状態で音を出します。
この音は、日本語の「ふ」のように唇をすぼめるだけではダメなので要注意!

ポイントは、下唇の内側に上の前歯を当てること。
ただし、大げさに噛む必要はありません。
そして、上の歯と下唇のわずかな隙間から、思いっきり息を出します。
【舌尖音】ㄉ:d ㄊ:t ㄋ:n ㄌ:l
舌尖音:舌先と上の歯茎もしくは上の歯の付け根を使って出す音
形:両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
ㄉ:d(無気音)
コツ:舌の先を前歯の裏の歯茎につけて、離す時に口の中で音を響かせる
英語の「d」の発音に似ています。
この音は、舌が前歯の歯茎当たりから下に動くときに出る音です。
因みにこの舌の動きは、日本語の「だ」と同じ。
ただし、中国語の「ㄉ:d」は日本語の「だ」に比べ、もっと舌先に力を入れて思いっきり弾くのがコツです。

また、無気音なので、息を外に出さずに口の中で音を響かせることも忘れずに。
ㄊ:t(有気音)
コツ:舌の先を前歯の歯茎のあたりにつけて、離す時に息を思いっきり強く吐く
英語の「t」の発音に似ています。
細かい事を言うと、「ㄉ」の舌の位置よりももう少し歯茎に近い部分に当てると、離す時に息が出やすくなります。
コツは、舌先に力を入れて思いっきり弾くこと。
日本語の「た」では息の量が足りないので、テッシュが揺れるくらい息を強く吐きましょう。
ㄋ:n(鼻音)
コツ:鼻音は息を鼻に通して発音する
日本語の「な・na」の「a」をとった「n」の音です。
舌先を前歯の裏付け根あたりにセットし、舌先に力を入れて弾きます。
この音は息を鼻に通して出す鼻音なので、小さく”ん”を前に入れて「んぬ」のように発音するとキレイに発音できます。
ㄌ:l (側面音)
コツ:側面音は舌の両脇から息を開放して出す音
舌先を前歯歯茎の裏につけたまま「ㄌ:l」と発音した後に舌を離します。
ポイントは、舌先をつけたまま音を出し、息を舌の両脇から漏らすように出すこと。
因みに、息を少し塞き止めて出すため、喉が他の舌尖音よりも振動するのが特徴です。
【舌根音】ㄍ:g ㄎ:k ㄏ:h
舌根音:舌の根元に力を入れて喉の奥から音を出す
形:両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
ㄍ:g(無気音)
コツ:舌の奥の部分を持ち上げて喉を塞ぐ
舌の奥の部分を持ち上げて上あごの奥にくっつけ、舌を離した瞬間に出る音です。
ただし、無気音なので息は外に出さずに口の中で音を響かせること。

口を「い」の形に開き、喉の奥から息を殺して「が」と発音すると◎。
ㄎ:k(有気音)
コツ:舌の奥の部分を持ち上げて喉を塞ぎ、離す時に息を思いっきり吐く
「ㄍ」と同じく、舌の後ろを持ち上げて上あごの奥にくっつけて、離した瞬間に出る音です。
ただし、この「ㄎ」は有気音なので、息を思いっきり吐きながら発音するのがポイント。

「い」の口で息を貯めて、喉の奥から「か」と発音。
すると、日本語の「く」に似ているけどちょっと違う「ㄎ」の音になります。
ㄏ:h(摩擦音)
コツ:舌の奥を持ち上げるが喉は塞がない
舌の奥の方を喉を塞がない程度に持ち上げ、息の通り道を微かに作ります。
その状態で息を吐いて出す音です。
口を軽く「い」の形に開き、喉の奥から「は」と声を絞り出すように発音するのがポイント。
どちらかと言うと、英語の「h」の発音に近いです。
【舌面音】ㄐ:j ㄑ:q ㄒ:x
舌面音:舌の面とした歯茎を使って発音する音
形:両唇を「い」の口の幅に最大限開く
ㄐ:j (無気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開く
日本語の「じ」とほとんど同じです。
ただし、中国語の「ㄐ:j」は日本語の「じ」よりも口を横に思いっきり開きます。
怒った時に言う「いー」の口くらい大袈裟に。
その状態で「じー」と発音し、音は外に出さずに口の中で響かせます。
ㄑ:q (有気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて多めに息を吐く
日本語の「ち」とほとんど同じです。
ただし、日本語の「ち」よりも更に横に口を大きく開き、また多めに息を吐きながら発音するのがポイント。

テッシュを用意して、息でティッシュが揺れるくらい強く息を吐きましょう。
ㄒ:x (摩擦音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて、歯の隙間から息を外に出す
日本語の「し」とほとんど同じ音です。
ただし、日本語の「し」よりも更に横に口を大きく開き、歯の隙間から前に息を出すことを意識します。
【反舌音】ㄓ:zh ㄔ:ch ㄕ:sh ㄖ:r
巻舌音:舌を上顎の中央あたりで剃り上げて出す音
形:両唇を「い」の口の幅に最大限開く
ㄓ:zh (無気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて、上顎のくぼみに舌先を軽くつける
この音は、口の形が超重要です。
「い」の口よりも更に大袈裟に両唇を思いっきり横に引くこと。
その状態で、まずは舌先を少しだけ後ろに引き、そして舌先を上あごの中央あたりに軽くあてます。

すると、舌が起立しているような状態に。
この状態で「じー」と発音すると、音を出すときに少しだけ舌先が離れて隙間ができます。
この「ヅ」のような「ジ」の音が、「ㄓ」の音です。
「ㄓ」の音は無気音なので、息は外に出さずに口の中で音を響かせること。
ㄔ:ch (有気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて上顎のくぼみに舌先を軽くつけ、息を思いっきり吐きながら発音
口の中は「ㄓ」と同様に、「い」の口よりも更に大袈裟に両唇を思いっきり横に引くこと。
その状態で、まずは舌先を少しだけ後ろに引き、次に舌先を上あごの中央あたりに軽くあてます。
そして音を出すと同時に舌先を上顎から少し離して隙間を作り、強く息を吐きながら「チー」と発音。
この「ツ」のような「チ」の音が、「ㄔ」の音です。
「ㄔ」の音は有気音なので、テッシュが揺れるくらい息を思いっきり吐きながら発音するのがポイントです。
ㄕ:sh (摩擦音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて舌先を剃り上げるが、舌はどこにもつかない
口の形は両唇を思いっきり横に「い」と開きます。
その状態で、まずは舌を少しだけ後ろに引き、そして舌を「英語のR」を発音するときのように少し反らします。

このとき、舌を上あごには付けず、少し隙間が空いている状態にします。
その状態のまま、「シー」と発音。
この「ス」のような「シ」の音が、「ㄕ」の音です。
ㄖ:r (摩擦音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて顎をひく
口の形は両唇を思いっきり横に「い」と開き、更に顎を少し引きます。
口の中は「ㄕ」と同じで、まずは舌を少しだけ後ろに引き、そして舌を「英語のR」を発音するときのように少し反らします。
ただし、この時に舌を上あごには付けず、少し隙間が空いている状態にします。
その状態で「りー」と発音。
喉を震わせて出すため、「り」とも「じ」とも言えない震えた音になります。
この音が「ㄖ」の音です。
【舌歯音】ㄗ:z ㄘ:c ㄙ:s
舌歯音:舌の端と下の歯の裏を使って出す音
形:両唇を「い」の口の幅に最大限開く
ㄗ:z (無気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて舌を下の歯の裏側にくっつける
舌歯音も、口の形がとても重要となります。
必ず、「い」の口よりも更に大袈裟に両唇を横に引いた口の形にしましょう。
そして、舌先を下の歯の裏側にくっつけて、「づー」と発音。

ポイントは、日本語の「づ」のように口を丸めないことです。
ㄘ:c (有気音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて舌を下の歯の裏側にくっつけ、息を強く吐きながら発音
「ㄗ:z」の音と同様に、口を「い」の形にします。
その状態で、舌先を下の歯の裏側にくっつけて、「つー」と発音。
日本語の「つ」のように口を丸めず、更に多めに息を吐きながら発音するのがポイントです。
ㄙ:s (摩擦音)
コツ:両唇を思いっきり横に開いて、舌を下の歯の裏側に軽くそっと触れる
「ㄗ:z」の音と同様に、口を「い」の形にします。
ただし舌先は、「ㄗ:z」や「ㄘ:c」のようにしっかり歯に当てるのではなく、そっと軽く触れるくらいにします。
その状態で「すー」と発音。
そうすると、日本語の「す」よりも少し訛ったような音が出ますが、その音が「ㄙ:s」の音です。
以上が、子音の種類と発音の仕方でした。
参考になれば幸いです。
関連記事
≫ ボポモフォ(注音符号)・発音一覧表 / 400音の組み合わせ