
中国語の声調って何?
習得の際にコツがあれば教えて欲しいな。
中国語の学習を始めてまず驚くのが、
- 中国語には声調と言われるイントネーションがある
- 間違えると意味が変わってしまう
という事ではないでしょうか。
日本語は音程を間違えてもそれほど問題がないので、これを聞くと中国語の勉強を億劫に感じてしまうかもしれません。
確かに最初は難しく感じますが、慣れると違いがわかるようになるので大丈夫です。
ということでこの記事では、声調とは何か?と覚える際のコツをまとめました。
参考になれば幸いです。
この記事でわかること
中国語の声調って何?
声調習得のコツ
2音節で練習して声調をマスター
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
声調とは?
中国語は、音を表す注音符号やピンインの他に、音程を表す “声調” があります。
これは、音の上がり下がり・高低をつけて、音を区別するためのものです。
中国語は声調で単語を区別する
日本語でも「雨」と「飴」のように、同じ音でも音程を変えて違う単語を表す事があります。
日本語だと数が少ないですが、中国語では多数存在するため習得必須です。
例を挙げると・・・
買(買う) ㄇㄞˇ mǎi |
賣(売る) ㄇㄞˋ mài |
眼睛(目) 一ㄢˇㄐ一ㄥ yǎn jīng |
眼鏡(メガネ) 一ㄢˇㄐ一ㄥˋ yǎn jìng |
露營(キャンプ) ㄌㄨˋ一ㄥˊ lù yíng |
錄影(録画する) ㄌㄨˋ一ㄥˇ lù yǐng |
精子(精子) ㄐ一ㄥㄗˇ jīng zǐ |
鏡子 (ミラー) ㄐ一ㄥˋㄗ˙ jìng zi |
などなど。
声調の種類
第一声 | 第二声 | 第三声 | 第四声 | 軽声 | |
ピンイン | ˉ | ˊ | ˇ | ˋ | 無し |
注音符号 | 無し | ˊ | ˇ | ˋ | ˙ |
声調は全部で4種類(一声〜四声)あるので、「四声」とも言われます。
また、4声に属さない「軽声」と言われる発音があり、これは文字通り軽く発音する音で、軽声の前にある声調によって音程が変わります。
※ピンインと注音符号(ボポモフォ)では、声調の表記に違いがあるのでご注意ください(上記表を参照)
第一声〜第四声
第一声
高い音程を保ち少し伸ばします。
第二声
少し低めの音程から高い音程へ上げます。
第三声
一度低い音程へ下げたあと、音程を少しあげます。
また、第三声の後ろに第一声・二声・四声・軽声が来る場合は、第三声は音程を下げたままにします。
(詳しくは後述します。)
第四声
高い音程から低い音程へ、一気に下げます。
声調を習得できないと会話がツライ
会話が辛くなる理由
- リスニング:「音を意味として正しく理解する」 ハードルが上がる
- スピーキング:意味が伝わらないOR全く違う意味に捉えられてしまう
リスニングで声調を聞き分けられない場合
声調を正しく聞き分けられない場合、結果的に選択の候補が増えるため意味を理解するのに時間を要することになります。
例えば
「梨子(梨)・ㄌㄧˊㄗ˙/ lí zi」という単語。
この単語は「梨(ㄌㄧˊ)」が2声ですが、その他にも同じ音で声調の異なる下記の単語が存在します。
- 「李子(スモモ)・ㄌㄧˇㄗ˙/ lǐ zi」三声
- 「栗子(栗)・ㄌㄧˋㄗ˙/ lì zi」四声

この場合、全て食べ物なので文脈から判断するのが難しい可能性も。
もしも、この時声調を正しく聞き取れていれば、迷うことなく「梨子(梨)」と理解が可能。
よって、声調を正しく聞き取れるようになるということは、すなわちリスニングの精度を上げることに繋がるのです。
スピーキングで声調を正しく発音できない場合
私達日本人からすると、音程が違うくらい大した事ないと思いがちです。
しかし、残念ながらネイティブに私達日本人の感覚は通じません。

私は昔、鏡子(ミラー)を精子と発音してしまい、その場が凍りついた苦い経験あり・・・
このように、声調を間違えると全く違う単語になってしまうのが中国語です。
そのため、中国語を学ぶ上で声調はとても重要だと理解しておきましょう。
学習のポイント
声調を学習する際の注意点は、下記の通りです。
声調は声調だけ練習する
中国語の音には子音と母音があり、その子音と母音を組み合わせた音が全部で約400音あります。
この音と声調を初めに習得しなければならないのですが、コツはそれぞれ別々に練習して最後に合体させる事です。
つまり
- 子音を勉強するときは子音だけ
- 母音を勉強するときは母音だけ
- 声調を勉強するときは声調だけ
と、分けて勉強するのです。

こうすると、今何を学習しているのかが明確になり、格段に習得スピードがアップします。
声調は実は“母音にだけ”ある
中国語は日本語とは違い、1音節の中で音が「子音→母音」へと移行して終わります。
まずは、日本語の「か」と中国語の「ㄎㄚ・ka」の音で聞き比べてみましょう。
- 子音:ㄎ(k)
- 母音:ㄚ(a)
日本語の「か」
中国語の「ka」
聞いてわかる通り、日本語の場合は、子音と母音がほぼ同じ強さで発音されています。
一方で、中国語は「子音・ㄎ(k)」→「母音・ㄚ(a)」という風に音が子音から母音に移行し、最後の音程が母音のみで終わっています。
これはどういう事かと言うと、子音はあくまで出だしの音であり、音程を変化させるのは母音であるということです。
図で表すと、下記のようになります。
例の図
「ㄎㄚ・ka」の2声の場合
日本語の感覚で発音すると、どうしても子音と母音を最後まで同じ強さで発音してしまいがちです。
けれども、中国語の場合は、必ず母音で音を終わらせる必要があります。
声調の練習をする時は、ぜひ「母音」を意識してみてくださいね。

このコツをマスターすると、グッとネイティブに近い発音になりますよ!
中国語は2文字の単語が多い
中国語は、圧倒的に2文字の単語が多いです。
例えば
「安心」「習慣」「終於」「提升」「保證」などなど。
そのため、まずは2文字(2音節)の声調のパターンを練習すると、文になった時も区切る位置がわかるようになり滑らかな発音になります。
声調は一声・二声・三声・四声・軽声の5つなので、そのパターンは20通り。
まずはその20通りを「ㄇㄚ :ma 」の音で練習していきましょう。
2文字の単語の声調パターンは20通り
「ㄇㄚ :ma 」
- 子音:ㄇ(m)
- 母音:ㄚ(a)
「ㄇㄚ :ma 」の子音と母音は上記の通りです。
そして、この「ㄇㄚ :ma 」の音で20通りのパターンを練習していきます。
また、上述した通り、声調は母音にだけ存在します。
ただし、日本語にはない感覚なので最初は意識しなくても大丈夫です。
まずは声調を正しく発音できるようになり、その後母音のみ高低を付ける練習をしていきましょう。
練習の順番
step.1
音程(声調)を習得
step.2
母音のみ音を変化させる(声調をつける)ように練習する
第一声の組み合わせ練習
第一声 + 第一声
第一声 + 第ニ声
第一声 + 第三声
※三声が後ろに来る場合、三声は音を下げた後少し音程を上げます
第一声 + 第四声
第一声 + 軽音
第ニ声の組み合わせ練習
第ニ声 + 第一声
第ニ声 + 第ニ声
第ニ声 + 第三声
※三声が後ろに来る場合、三声は音を下げた後少し音程を上げます
第ニ声 + 第四声
第ニ声 + 軽声
第三声の組み合わせ練習
※三声の後ろに一声・ニ声・四声・軽声がくる場合、最初の三声は音を下げるだけでOK
第三声 + 第一声
第三声 + 第ニ声
第三声 + 第三声(※第二声+第三声)
※三声と三声の組み合わせの場合は、最初の三声はニ声に変化します(第二声+第三声)
第三声 + 第四声
第三声 + 軽声
第四声の組み合わせ練習
第四声 + 第一声
第四声 + 第ニ声
第四声 + 第三声
※三声が後ろに来る場合、三声は音を下げた後少し音程を上げます
第四声 + 第四声
第四声 + 軽声
以上が中国語・声調のコツと練習方法でした。
参考になれば幸いです。
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