
「子音+ㄤ(ang)」の発音は全部でいくつある?
発音のコツも合わせて知りたいな。
中国語発音のテキストは、子音と母音を練習して終わりというものがほとんどです。
しかしながら、実際は子音と母音を組み合わせた音を正しく発音できなければ意味がありません。
という事でこのブログでは、”子音+母音の全組み合わせ約400音” の発音方法を台湾人の音声付きで用意しました。
そして、この記事では「子音+ㄤ(ang)」を練習していきます。
子音だけ母音だけだと発音できるのに、合体した時の音がわからない・・・
そんな時にお役に立てれば幸いです。
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください。
キレイな発音になるコツ
4つのポイント
- 中国語の「口の形・喉・息の量」をマスターしておく
- 1音節で発音する
- 母音で音を終わらせる(声調は母音にだけある)
- 複母音のとき区切る位置を間違えない
中国語には ”中国語の発音のクセ” というものがあります。
このクセを発音練習に入る前に習得しておくと、よりキレイな発音を身につける事ができます。
もっと詳しく知りたいという場合は、下記記事をご参照ください。
詳しく
≫ もう発音で挫折しない!中国語特有・発音の仕方を手に入れる!
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Checkもう発音で挫折しない!中国語特有の”発音の仕方”を手に入れる!
発音が通じないと、地味に落ち込みますよね。 でもそれは、もしかすると日本語特有の発音のクセが強く出ているために通じないのかもしれません。 私もそうでしたが、発音で挫折する多 ...
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音節表
ピンイン表 - ボポモフォPDF用-2
もしも、まだ子音・母音を学習していない場合は、先に学習されてからこちらの練習に入る事をオススメします。
関連記事
母音「ㄤ(ang)」の発音を確認
口の形:日本語の「あ」よりもっと下顎を下げて大きく開く
発音の仕方:そのまま滑らかに「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
後鼻音:鼻の後方で音を響かせる

まずは、母音「ㄤ(ang)」の発音のおさらいです。
母音「ㄤ(ang)」は、後鼻音です。
因みに、鼻音には「前鼻音(n型)」と「後鼻音(ng型)」の2種類があり、日本語では区別しませんが中国語では区別する必要があります。
後鼻音の「ng型」は、「案外(あんがい)」の「ん」の音です。
または、ドラえもんの歌の ”あん あん あん とっても大好き~ドラえもん♪” の三番目の「あん」の音。
ポイントは、「ん」と発音する時に舌の奥を持ち上げて喉を塞ぎ、鼻の後方で音を響かせることです。
そうすると、「ん」の音が「あ」に比べ少し小さくなり、また音程が「ん」の時に若干下がります。
子音+「ㄤ(ang)」の組み合わせ一覧
無気音 | 有気音 | 鼻音 | 摩擦音 | 側面音 | |
両唇音 | ㄅㄤ
bang |
ㄆㄤ
pang |
ㄇㄤ
mang |
||
唇歯音 | ㄈㄤ
fang |
||||
舌尖音 | ㄉㄤ
dang |
ㄊㄤ
tang |
ㄋㄤ
nang |
ㄌㄤ
lang |
|
舌根音 | ㄍㄤ
gang |
ㄎㄤ
kang |
ㄏㄤ
hang |
||
舌面音 | |||||
反舌音 | ㄓㄤ
zhang |
ㄔㄤ
chang |
ㄕㄤ
shang ㄖㄤ rang |
||
舌歯音 | ㄗㄤ
zang |
ㄘㄤ
cang |
ㄙㄤ
sang |

「子音+ㄤ(ang)」の組み合わせは全部で18通り。
ㄅㄤ(bang)
- 両唇を「え」の口の幅にした状態で「ん」と閉じる
- 唇に力を入れ「ㄅ(b)」と口の中で響かせる(無気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「ばん」ではなく、「ばぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「あん」の「ん」の音を発音するときは舌の奥を持ち上げて喉を塞ぎます。
(※「案外」の「ん」の口の形)

コツは、喉に少し力を入れ、鼻の後方で音を響かせること。
ㄆㄤ(pang)
- 両唇を「え」の口の幅にした状態で「ん」と閉じる
- 息を意識的に強く吐きながら「ㄆ(p)」と発音(有気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「ぱん」ではなく、息を強く吐きながら「ぱぁん」と一音節で発音するイメージです。
「あん」の「ん」の音を発音するときに、舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐこと。
(※「案外」の「ん」の口の形)
また、「ㄆ(p)」は有気音なので、日本語の「ぱ」より唇に力を入れ、ティッシュが揺れるくらい強く息を吐きましょう。
ㄇㄤ(mang)
- 両唇を「え」の口の幅にした状態で「ん」と閉じる
- 唇に力を入れ、息を鼻に通しながら「ㄇ(m)」と発音(鼻音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「まん」ではなく、唇に力を入れて鼻に息を通しながら「まぁん」と一音節で発音するイメージです。
もしも、鼻音が難しい場合は、「(ん)まぁん」という風に前に小さく「ん」を入れると鼻音が出しやすくなります。
また、「あん」の「ん」の音を発音するときに、舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐようにしましょう。
ㄈㄤ(fang)
- 両唇を「え」の口の幅にした状態で、上の歯を下唇に軽くタッチ
- 上の歯と下唇のわずかな隙間から思いっきり息を吐いて「ㄈ(f)」と発音(摩擦音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「ㄈ(f)」の発音は日本語にはないので、注意が必要です。

ポイントは、英語の「f」と同様に、下唇の内側を前歯で軽く噛むようにして発音すること。
下唇の内側を前歯で軽く噛んだ状態でスタンバイし、息を強く吐くと同時に「ふぁん」と発音します。
また、「あん」の「ん」の音を発音するときに、舌の奥を持ち上げて喉を塞ぐこと。
(※「案外」の「ん」の口の形)
ㄉㄤ(dang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌の先を前歯の裏の歯茎につけて、離す時に「ㄉ(d)」と口の中で音を響かせる(無気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「だん」ではなく、「だぁん」と一音節で発音するイメージです。
日本語の「だ」よりも、舌先に力を入れて弾くのがポイント。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識すること。
ㄊㄤ(tang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌の先を前歯の歯茎のあたりにつけて、離す時に息を思いっきり吐きながら「ㄊ(t)」と発音(有気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「たん」ではなく、息を強く吐きながら「たぁん」と一音節で発音するイメージです。
「ㄊ(a)」は有気音なので、日本語の「た」よりも舌先に力を入れ、ティッシュが揺れるくらい強く息を吐くのがコツ!
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識しましょう。
ㄋㄤ(nang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌先を前歯の裏付け根あたりにセットし弾くと同時に、息を鼻に通して「ㄋ(n)」と発音(鼻音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
日本語の「な」よりももっと舌先に力を入れて弾き、「なぁん」と1音節で発音するイメージです。
「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識。

また、「ㄋ(n)」は鼻音なので、息を鼻に通しながら発音しましょう。
もしも、鼻音が難しい場合は、「(ん)なぁん」という風に前に小さく「ん」を入れると鼻音が出しやすくなりますよ。
ㄌㄤ(lang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌先を前歯歯茎の裏につけたまま「ㄌ:l」と発音した後に舌を離す(側面音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「らん」ではなく、「らぁん」と一音節で発音するイメージです。
「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識。

また、舌先を前歯歯茎の裏に押し付けたまま「ㄌ:l」の音を出すのがコツです。
息を少し塞き止めて出すため、喉が他の舌尖音よりも振動するのが特徴。
ㄍㄤ(gang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌の奥の部分を持ち上げて上あごの奥にくっつけ、舌を離した瞬間に「ㄍ(g)」と発音(無気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「がん」ではなく、「がぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識しましょう。
喉の奥から音を出すように意識すると、キレイに発音できます。
ㄎㄤ(kang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌の後ろを持ち上げて上あごの奥にくっつけ、息を強く吐きながら離す瞬間に「ㄎ(k)」と発音(有気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「かん」ではなく、息を強く吐きながら「かぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識。
「ㄎ(k)」は有気音なので、日本語の「か」よりも喉に力を入れ、ティッシュが揺れるくらい強く息を吐くのがコツです。
ㄏㄤ(hang)
- 両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
- 舌の奥の方を喉を塞がない程度に持ち上げ息の通り道を微かに作り、息を吐きながら「ㄏ(h)」と発音(摩擦音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「はん」ではなく、息を強く吐きながら「はぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識しましょう。
喉の奥から音を出すように意識すると、キレイに発音できますよ。
ㄓㄤ(zhang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- 舌先を少しだけ後ろに引き、上あごの中央あたりに軽くあてた状態で「ㄓ(zh)」と発音(無気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
この音は、口の形がとても重要です。
まずは、「い」の口よりも更に大袈裟に両唇を思いっきり横に引いて、準備しましょう。
そして、舌を少しだけ後ろに引き、舌先を上あごの中央あたりに軽くあてます。
その状態で、「じゃぁん」と一音節で発音するイメージです。

「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識する事を忘れずに。
ㄔㄤ(chang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- 舌先を少しだけ後ろに引き上あごの中央あたりに軽くあて、息を思いっきり吐きながら「ㄔ(ch)」と発音(有気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
口の形は「ㄓ」と同様に、大袈裟に両唇を思いっきり横に引くことがコツです。
そして、舌先を後ろに引いて上あごの中央辺りに軽くあてます。
その状態で、息を強く吐きながら「ちゃぁん」と一音節で発音するイメージです。

「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識する事を忘れずに。
ㄕㄤ(shang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- 舌を少しだけ後ろに引き巻いた状態で「ㄕ(sh)」(摩擦音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
口の形は両唇を思いっきり横に「い」と開くこと。
また、舌を巻いた時、舌先はどこにも付けないのがポイントです。
その状態で、「しゃぁん」と一音節で発音するイメージです。

「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識する事を忘れずに。
ㄖㄤ(rang)
- 両唇を思いっきり横に開いて顎をひく
- 舌を少しだけ後ろに引いて巻き、舌先はどこにも付けずに「ㄖ(r)」(摩擦音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
「ㄕ(sh)」同様に両唇を思いっきり横に開き、更に顎を引きます。

その状態で、舌先を上顎に付くギリギリの場所にセット。(少し隙間が空いている状態)
そして、喉の奥から唸るように「らぁん」と発音します。
「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を忘れずに。
ポイントは、口の形と舌の位置です。
喉を震わせて出す音なので、濁音のように聞こえるはずです。
ㄗㄤ(zang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- その口の形のまま、舌先を下の歯の裏側にくっつけて「ㄗ(z)」と発音(無気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
口は必ず「い」の幅に開くように意識すること。
そして、「ざぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識しましょう。
ㄘㄤ(cang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- 舌先を下の歯の裏側にくっつけて息を強く吐きながら「ㄘ(c)」と発音(有気音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
口は必ず「い」の幅に開くように意識すること。
発音の仕方は、息を強く吐きながら「つぁん」と一音節で発音するイメージです。
「ㄘ(c)」は有気音なので、テッシュが揺れるくらい息を思いっきり吐きながら発音すること。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を忘れずに!
ㄙㄤ(sang)
- 両唇を「い」の口の幅に最大限開く
- 舌を下の歯の裏側に軽くそっと触れ、その状態で「ㄙ(s)」と発音(摩擦音)
- 日本語の「あ」よりもっと下顎を下げ「あん」と発音し、「ん」の時に舌の奥を持ち上げ喉を塞ぐ
口は必ず「い」の幅に開くように意識すること。

舌先は「ㄗ:z」や「ㄘ:c」のようにしっかり歯に当てるのではなく、そっと軽く触れるのがポイントです。
発音の仕方は、「さぁん」と一音節で発音するイメージです。
また、「ん」の発音の時は、「案外」の「ん」の口の形を意識しましょう。
まとめ
以上が、「子音+ㄤ(ang)」の発音のコツと練習方法でした。
発音練習の際は、実際に自分の声を録音して聞いてみるのが効果的です。
「中国語を学ぼう ChineseSkill」というアプリなら、自分の声を録音してお手本と交互に聞くことが出来るのでオススメですよ。
参考になれば幸いです。
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・アプリで録音してチェック
≫ 中国語の発音を録音して確認できる神アプリ「中国語を学ぼう ChineseSkill」