
「ネイティブに間違われた!」という内容のSNSを見る度に、私には語学のセンスがないんだと落ち込む日々・・・
発音がネイティブ並みに上手くなる方法ってあるの?
中国語の学習をしていると、人と比べて凹んでしまう事がよくあります。
でも、そんな風に思う必要は全くありません。
なぜなら、私達が目指すべきところは、あくまで “ネイティブに通じる発音を手に入れること” であり、ネイティブになる事ではないからです。
ということでこの記事では、ネイティブに通じる発音とは具体的にどういう状態なのかを詳しくまとめました。
ネイティブ並みの発音になる!という目標は一旦置いておき、まずは通じる発音が出せるようになることを目指しましょう。
この記事でわかること
通じる発音とは?
通じる発音になるためにすべき事
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
発音はネイティブにならなくてもいい理由
そもそもネイティブ並みの発音を求められていない
私は中国語の学習を始めたばかりの頃、取り憑かれたように「ネイティブ並の発音になること」を目指していました。
でも、学習を進めるうちに気が付きました。

不可能だ・・・・と。
ただ、この事実をマイナスに感じたわけではなく、ネイティブが「私の日本語訛りの発音を全く気にしていないこと」に気づいたのです。
どんなに上手くても、少なからず母国語の癖というのは付き纏います。
この事実を、自分の中でヨシとする勇気を持つこと。
これだけで、気持ちはグッと楽になりましたし、発音以外の会話に必要な要素をもっと磨こうと思えるようになりました。
会話は発音の良さだけでは成立しない
発音は、あくまで会話を成立させる要素の一つです。
よって、発音さえ上手くなれば、ネイティブに通じるようになるというものでもありません。
- 発音
- 語彙力
- 文を作る応用力
をクリアして初めて、会話が成立することを理解しておきましょう。
中には、発音にこだわり過ぎるあまり学習バランスが崩れてしまい、リスニングがボロボロで会話が全く成立しない人も・・・
こうなると、何のために中国語を勉強しているのか本末転倒です。
発音で大事なのは、あくまで「ネイティブに通じる範囲の音を出せるようになること」です。
ネイティブに通じる範囲の音とは?
それでは、

ネイティブに通じる範囲の音とは、具体的にはどういう状態なのでしょうか。
イメージ
それは、例えば「an(ㄢ)」という音であれば、ネイティブが「an(ㄢ)」と認識できる範囲の音で発音できるという事です。
図にすると上記のようなイメージに。
ネイティブの音とは少し違っても、「an」を「an」だと認識してもらえることが重要。
余談
これは余談ですが、昔オーストラリアの語学学校に通っていた時のことです。
「They」を日本語の発音で「ゼイ」と言っても全く通じなかったのに、スペイン人の友人が「デイ」と発音しネイティブに通じていて驚いたことがありました。
要するに、スペイン人の「デイ」は、ネイティブが「They」だと認識できる範囲の音だったということですね。
通じる発音になるために
やるべき事
- 中国語を構成する約400音全て ”通じる範囲の音” が出せるまで練習
- 声調は完璧に
- 必ずチェックする
通じる発音を目指す上で大切なのが、やるべき事を知りゴールに向かって実行することです。
けれども、

初めての外国語学習となると、何をすればゴールに辿り着けるのかわからない・・・
そう不安になるのも無理はありません。
中国語発音のゴールとは、「音」と「声調」を口と耳に定着させることです。
そして、脇道に逸れないために、正しい音が出せているのかを常にチェックしながら前に進むことです。
中国語を構成する約400音全て「通じる範囲の音」が出せるまで練習
まず、音に関して言うと、発音習得は子音と母音を勉強して終わりではありません。
むしろ、子音と母音を組み合わせた約400音を正しく発音できることの方が重要です。
この400の音というのは、日本語を構成する約100音に相当。
日本語の4倍となると躊躇してしまいますが、必ずそれぞれ正しい音が出せるようになる必要があります。
なぜなら
例えば日本語の「か」を「け」と覚えていた場合、「おかし」は「おけし」となってしまいネイティブからすると意味不明に。

「このおけきのおけし、けたちがけわいいね!」
(このおかきのお菓子、形が可愛いね!)
何て言ってるんだろう・・・???

このミスが少なくなれば少なくなるほど、発音がどんどん通じるキレイな音へと変化していきます。
コツ:間違いやすい音を重点的に
音が多くて大変なので、優先順位をつけて難しい音を重点的に学習していきましょう。
因みに400音は、レベル分けすると下記の5種類に分類できます。
- ほぼ日本語でOKな音
- ちょっとコツが必要な音
- ピンインとローマ字読みが異なる音
- 日本語にはない音
- 日本語では区別しない音
特に難しいのが、④日本語にはない音と⑤日本語では区別しない音です。
詳しくは、「難易度別にレベル分けすると習得が楽に!」の記事に書いていますので、参考になさってください。
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中国語の発音・発声方法を身につけておく
中国語には、中国語特有の発音・発声方法があります。
私は初めの頃、この部分を疎かにしていたため「e(ㄜ)」や「 eng・(ㄥ)」などの音が上手く発音出来ませんでした。
また、

音は合っているけど、なんか聞き取りづらい・・・
と言われ続け、日本語のクセが強く出過ぎていた事を知ったのでした。
日本語と中国語は音の出し方が異なるため、まずはこの部分を理解した上で発音練習に入ると、ネイティブにとって聞き取りやすい音を出すことが出来るようになります。
詳しくは、「中国語特有の発音の仕方を手に入れる!」の記事に書いていますので、参考になさってください。
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声調は完璧に!
日本語では、イントネーションを間違えても訛ってるくらいにしか感じませんが、中国語の場合はそういうわけにはいきません。
なぜなら同じ音で声調が異なる単語が多数存在するからです。
つまり、声調を間違えると違う単語と勘違いされてしまう可能性があると言うことです。
とは言っても、

ちょっとくらい間違えても大丈夫でしょう?
と思いますよね。
でも、その考えはすぐに捨てた方がいいです。
なぜなら
日本語でも「雨」を「飴」と言われた場合、一瞬考えてしまうはず。
中国語の場合は、下記のような同じ種類・真逆の意味の単語が、同じ音で声調が異なるというケースが多々あります。
李子(スモモ) ㄌ一ˇ ㄗ˙ lǐ zi |
梨子(梨) ㄌ一ˊ ㄗ˙ lí zi |
八角 ㄅㄚ ㄐ一ㄠˇ bā jiǎo |
芭蕉 ㄅㄚ ㄐ一ㄠ bā jiāo |
買(買う) ㄇㄞˇ mǎi |
賣(売る) ㄇㄞˋ mài |
そのため、声調は正しく発音できるに越した事はありません。
コツ:2音節でマスター
声調は確かに難しいですが、音程をマスターすると思えばあとは慣れで何とかなるものです。

コツは、2音節でマスターすること。
その理由は、中国語の単語のほとんどが2音節で成り立っているからです。
まずは、「ma」という音で練習をし、慣れてきたら2音節の単語で練習するのがオススメです。
詳しくは、「中国語の声調とは?」の記事に書いていますので、参考になさってください。
詳しく
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通じる音が出せているかチェック
そして、最も大切なのが「音が合っているか確認すること」です。
発音が上手い人と下手な人の差は、間違いに気付いて意識的に矯正したかの差でもあります。

発音の上手い人は意識的に改善している!
中国語400音はアプリでチェック
400の音を覚える際に有効なのが、自分が発した音とネイティブの音が似ているか聴き比べてみることです。
これをする事で、発音が明らかに間違っていた場合、すぐに気付く事ができます。
オススメは、「中国語を学ぼう ChineseSkill」というアプリ。
このアプリは、自分の発音を録音することができ、更にはネイティブの音と自分の音を交互に聴くことが可能です。
使い方については、「中国語の発音を録音して確認できる神アプリ」の記事に書いていますので、参考になさってください。
詳しく
≫ 中国語の発音を録音して確認できる神アプリ「中国語を学ぼう ChineseSkill」
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セルフチェック:音声入力でチェックする
単語の練習に入ったら、都度音声入力で発音をセルフチェックしましょう。
音声入力で確認するメリットは、発音が違った場合に何をどう間違えたのか明確にわかることです。

例えば、自分では「ang(ㄤ)」と発音したつもりが、実は「eng(ㄥ)」と発音してしまっていたなど。
可視化する事で、自分の苦手な音をあぶり出す事ができます。
スマホの音声認識機能を使って音声入力する方法は、「中国語の発音が上手くなる秘密の練習方法」の記事を参考になさってください。
詳しく
≫ 中国語の発音が通じない人必読!一気に上手くなる秘密の練習方法
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最後に
以上が、通じる発音とは?通じる発音になるためにすべき事についてでした。
正直、通じる発音になるには、地道にコツコツ改善していくしかないですが、正しい努力をすることで必ず結果はついてきます。
お互い諦めずに頑張りましょう。
ではまた。
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