中国語の発音を頑張って練習しているけど、一向に上手くならない。
もう、どうしていいのかわからない・・・
中国語の勉強をしていると、「発音」の悩みは尽きません。
そもそも、発音はすぐに身に付くものではないとわかっていても、先の見えないゴールに向かって努力し続けるのは、地味に疲れます。
でも、大丈夫です。
発音が通じないのには明確な理由があり、その原因の一つ一つを正しい方向に修正していく事で必ず改善されます。
私がそうであったように、要は “何をすればいいのか分からないだけ” なのです。
この記事では、通じない理由とその改善方法をまとめました。
この方法を取り入れると、音の違いを半強制的に意識するようになります。
そして、今まで同じように聞こえていた音が “中国語の個々の音として認識できるようになる” のでオススメです。
この記事でわかること
発音が通じない理由と秘密の練習方法
今まで区別出来なかった音が区別できるようになる
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
中国語の発音が通じない理由はこの2つ
- 音が間違っている(約400音)
- 声調が間違っている
まず、中国語の発音が通じない理由は、上記の2つです。
中国語を構成する音(約400音)が正しく発音できていない、もしくは声調が間違っている、またはその両方です。
音でいうと、「 e(ㄜ)」を「a(ㄚ)」と発音していたり、「jiu(ㄐㄧㄡ)」をそのままローマ字読みして「ジゥ」と発音してしまっているという事が挙げられます。
また、声調も2声と3声が曖昧になってしまっていることも。
そして、この一つ一つの間違いを正しい音へと修正することが、通じる発音になる唯一の方法です。
中国語が通じない人が疎かにしていること
正しく発音できているか自分で確認しない
発音が通じない・・・
と悩んでいる人のほとんどが、「自分がどんな音を出しているのかを自分で確認した事がない」のです。
何を隠そう、これは昔の私です。
そして、通じる通じないの判断を、全てネイティブ任せにしていました。
ネイティブチェックの前にセルフチェックをする!
最終的にはネイティブに聞いてもらってOKかどうかにはなりますが、その前段階で音が合っているかの判断はある程度自分ででも出来ます。
これをほとんどの人が知らないし、やらないのです。
「新しい単語を覚えたら、まずはセルフチェックをする」
この工程を加えるだけで、どの音が発音できないのか明確に。
また、都度チェックするので、間違った発音のまま単語を覚え続けてしまうというリスクもありません。
おすすめのセルフチェック方法
音声認識機能を使った「音声入力」
セルフチェックで最もオススメなのが、「音声入力」です。
台湾人が音声認識機能を使ってLINEの文字入力をしているのをよく見かけますが、その機能を最大限に活用します!
メリットとデメリット
メリット
- 発音が違った場合、何をどう間違えたのか明確にわかる
- 可視化される事により、半強制的に音を意識するようになる
音声入力の最大のメリットは、どう間違えたのか明確にわかることです。
例えば・・・
「繼續(jì xù)」と発音したつもりが「技術(jì shù)」と発音していた。
という具合に、ネイティブにどういう風に聞こえているのかを知ることが出来ます。
また、可視化される事で自分の苦手な音が炙り出され、半強制的に意識するようになります。
デメリット
- 多少なりとも誤差がある
ネイティブからすると合っている音でも、音声入力では違う音として認識されてしまうことがあります。
その場合は、同じ音の違う単語で試してみるのも一つの方法です。
音声認識の精度はかなり高い
音声認識の精度は低いと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、現在の音声認識の精度は極めて高いです。
その証拠に、日本人の苦手な「an(ㄢ)」と「ang(ㄤ)」は明確に区別されます。
よって、音声入力を使ったセルフチェックは、発音矯正にはかなり有効な手段と言えます。
「自分の声を録音して聞く方法」は効果的ではない
一方で、セルフチェックの方法として最も一般的な「自分の声を録音して聞く方法」は、あまり効果的とは言えません。
その理由は・・・
- その音が合っているのか自分では判断できない
録音して聞いてみるのは、セルフチェックの第一歩としては間違いではありません。
でも、ある時ふと思ったんですよね・・・
聞いてみたはいいけど、果たしてこの発音で合っているのだろうか?
と。
非ネイティブには判断する能力がない
- わかるのは曖昧なことだけ
そうなんです。
私達非ネイティブには、自分の発音が正しいかどうかを判断する能力がそもそもないので、この方法では改善する事は不可能に近いのです。
「an(ㄢ)」と「ang(ㄤ)」の違いを客観的に聞いて分かれば、苦労はしません。
わかる事は、「全然違う」「なんかちょっと違う」などの曖昧な事だけ。
ネイティブの音に近づいたかどうかを知る手段としては有効ですが、改善する方法としては有効とは言えません。
音が合っているか「音声入力」でチェックする方法
音声入力の効果
- 新しい単語を覚える度に音声入力でチェック→正しい音を覚える
- どの単語を発音しても通じる
以上の理由により、中国語の発音を通じる発音に変えるには「音声入力」で一つ一つ確認していくことが最も効率的な方法と言えます。
正直地味な作業ですが、これを新しい単語を覚える度に行う事で、間違った音を覚えることが皆無に。
その結果、どの単語を発音しても通じるようになり超効率的です。
それではここからは、音声入力の方法について解説していきます。
スマホで音声入力
文字が打てるツールであれば「メモ」でも「Evernote」でも何でも構いません。
因みに私は、後からパソコンで単語帳を作るので共有可能な「Googleドキュメント」を使っています。
ダメな方法
音声入力というとsiriにそのまま話しかける方法がありますが、あまりオススメしません。
なぜかというと、いちいち反応が返ってくるのが面倒なのと(笑)、どう間違えたのかを別でメモする手間が掛かるからです。
①音声入力の音声入力言語に「中国語」を追加
基本的に音声入力機能はデフォルトでオンになっていますが、別途「音声入力言語」を追加する必要があります。
一般
→ キーボード
キーボードに中国語がないと音声入力言語の画面で選択できないので、まずはキーボードに中国語を追加します。
新しいキーボードを追加。
繁体中国語を追加。(簡体字でもOK)
私は注音の標準と手書きを入れています。(お好みで)
追加できました。
続いて、キーボードの画面で音声入力が「ON」になっている事を確認し、音声入力言語をタップ。
音声入力言語に「北京語-台湾」を追加します。
これで、中国語でも音声入力が可能となります。
②自動修正を「OFF」
因みに、自動修正がONになっていると、間違っていても文脈から自動修正されてしまいます。
よって、音声入力でセルフチェックする際は必ず「OFF」にしておきましょう。
③メモなどを開いて注音の画面にする
今回は「メモ」を使って音声入力していきます。
入力画面を「注音」の画面に。
右下にあるマイクをタップすると音声入力がスタート。
④単語・文を発音する
そして、簡単な単語なのに発音が難しい「我是日本人」を日本語発音のまま読み上げてみました。
すると「是」と「日」が中国語の音として認識されず、上記のような結果に。
このように、客観的にネイティブにはどんな風に聞こえているのかが分かり、新しい発見がたくさんあります。
また、私の場合は、間違えやすい音「上下shàng xià」「剩下shèng xià」などを交互に音声入力し、それぞれちゃんと発音出来たかをチェックしたりしています。
間違えた音は可視化する
間違えた音は、メモをするなどして可視化しましょう。
メリット
- 発音できない苦手な音がわかる
- 自分の発音の癖に気付く
- 音を意識するようになる
これをする事で、自分の苦手な音と癖がわかるようになります。
表で管理
出来れば、上記のような音節表を活用するのが◎。
表は、私が使っているこちらをプリントアウトして使ってもいいですし、自分の持っている参考書に表があればそこに直接書き込むOR付箋を貼るなど工夫してみてください。
発音を矯正する
間違いがわかったら、次は発音矯正です。
一つの音をうやむやにすると、その音を使った単語は全て間違ったまま発音することになります。
結果、通じない単語ばかりに。
間違えたら矯正する
通じる発音を手に入れるには、これをコツコツ行う事が何より大切です。
また、よくある間違いを下記にまとめましたので参考にしてみてください。
中国語発音の口は出来ている?
ネイティブに中国語の音が聞き取りづらいと言われる場合、日本語発音のまま中国語の音を発音してしまっている可能性大。
けれども、日本語と中国語とでは、根本的に音の出し方が違います。
そのため、中国語の発声・発音方法を習得しない限り、キレイな音は出せません。
会話中に頻繁に聞き返される場合は、中国語発音のクセを身につける事が手っ取り早くキレイな発音になる方法です。
詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。
詳しく
≫ もう発音で挫折しない!中国語特有・発音の仕方を手に入れる!
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checkもう発音で挫折しない!中国語特有の”発音の仕方”を手に入れる!
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ローマ字読みしてない?
ピンインの勉強を疎かにしてしまった結果起こるのが、拼音をそのままローマ字読みしてしまうケースです。
例えば、「jiu」「dui」「dun」「bian」など。
これらは、ピンインをもう一度正しく覚え直す事で改善が可能。
それぞれ注意が必要な「子音+母音」の組み合わせは下記の通りです。
詳しく
日本語にない音を勝手に日本語の音に置き換えてない?
「e(ㄜ)」や「ü(ㄩ)」など日本語にない音は、練習しない限り出せるようにはなりません。
けれども、日本語の「あ」や「ゆ」に音が似ているため、勝手に音を置き換えてしまい結果的に通じなくなっているケースです。
これも、それぞれ正しい音の出し方を学ぶ事で改善可能です。
詳しく
最後に
以上が、中国語の発音を上達させる方法についてでした。
中国語の学習を始めて早5年・・・
発音は、一つずつコツコツ矯正していくことが一番効率的な方法だと学びました。
また、音声入力に慣れて来ると、台湾人と同じようにLINEも全て音声入力するようになり、台湾人化がどんどん進んでいる今日この頃。
発音で悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
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≫ 中国語の声調とは?習得のコツ&練習すべき組み合わせ20通り