中国語の子音はいくつある?
子音の学習で注意すべき点があれば教えて欲しいな。
子音の発音で重要なのが「唇の形・舌の位置・息の出し方」です。
特に、中国語は息の音が聞こえるかどうかで音を区別するので、息の出し方はとても重要。
ちなみに、発音習得のステップは、下記の通り。
- 子音(21個)・母音(36個)
- 声調(4声・軽声)
- 子音+母音の組み合わせ405音
今回は、発音の基礎である「子音」について台湾華語学習歴8年の筆者が解説いたします。(注音付)
私が子音を習得したコツをこの記事に詰め込んでいますので、参考にしてみて下さい。
- 中国語の子音の種類(注音付)
- 子音の役割と発音の仕方&コツ
※私は台湾の中国語「台湾華語」を勉強しています。そのため、普通話とは異なる部分がある事を予めご了承ください
中国語の子音の特徴を解説
中国語の子音の特徴は下記の通りです。
①子音の種類は「21個」
中国語の子音は全部で21個あります。
日本語と同様に「子音+母音」で1音が構成されていて、「Ka」の “K” の部分にあたるのが子音です。
因みに「Ka」の “a” は母音。
②子音は「唇の形・舌の位置・息の出し方」の標識
子音は音を発音する時の「唇の形・舌の位置・息の出し方」の標識です。
特に中国語は有気音と無気音で音を区別するので、息の出し方はとても重要。
ちょっと大袈裟かな?くらいがちょうどいいです♪
③子音は音の出だしの部分
子音は、音の出だしの部分です。
中国語は日本語の発音とは違い、一音節の中で音が「子音→母音」に移行して終わります。
例えば、「ba(ㄅㄚ)」は、日本語なら最後まで子音がくっついたまま「ばー」と言う音に。
しかし、中国語は「ば→あ」と言う風に、音が子音で始まりその後滑らかに母音に移行して終わります。
中国語特有の発音の仕方を知らないと、いつまで経っても通じないままです…
発音を勉強する際は、中国語特有の発音方法について理解しておくと、キレイな発音が身につきますよ♪
詳しくは、「中国語特有の発音の仕方とコツ!もう発音で挫折しない!」の記事を参考にしてみて下さい。
④子音は単独では発音できない
母音は全ての音が母音単体でも一つの音になりますが、子音の場合は単独では発音できません。
これは日本語も同じですね。
よって、子音の学習に多大な時間を割く必要はないと個人的には感じています。
母音と組み合わせた時に正しい音が出せるように、ここでは子音の役割を理解しましょう。
子音の種類と発音方法(ピンイン・注音)
使う部分/息 | 無気音 息を出さない | 有気音 息を強く出す | 鼻音 鼻へ抜く | 摩擦音 摩擦を起こす | 側面音 舌の側面から抜く |
両唇音 くちびる | b ㄅ | p ㄆ | m ㄇ | ||
唇歯音 くちびると歯 | f ㄈ | ||||
舌尖音 舌先 | d ㄉ | t ㄊ | n ㄋ | l ㄌ | |
舌根音 舌の根元 | g ㄍ | k ㄎ | h ㄏ | ||
舌面音 舌の表面 | j ㄐ | q ㄑ | x ㄒ | ||
反舌音 舌を反らす | zh ㄓ | ch ㄔ | sh ㄕ r ㄖ | ||
舌歯音 舌と歯 | z ㄗ | c ㄘ | s ㄙ |
「唇の形・舌の位置・息の出し方」に注意しながら練習してみて下さいね!
【両唇音】ㄅ:b ㄆ:p ㄇ:m
- 両唇音:上唇と下唇を使って出す音
- 形:両唇を「え」の口の幅にした状態で「ん」と閉じる
両唇音は唇を使って出す音です。
ㄅ:b(無気音)
無気音は、息を外に出さず口の中で響かせるイメージ
この「ㄅ:b」は、母音「ㄛ・o」をくっつけると日本語の「ぶぉ」に似た音になります。
コツは、口を閉じて開ける瞬間に音を出すこと。
ただし、無気音なので息を外に出しません。
あくまで口の中で音を響かせるイメージで発音するのがポイントです。
ㄆ:p(有気音)
有気音は、息を意識的に強く吐きながら発音する
「ㄆ:p」は、母音「ㄛ・o」をくっつけると日本語の「ぷぉ」に似た音になります。
口を閉じて開ける瞬間に、息を強く吐きながら発音するのがコツです。
練習する時は、ティッシュを1枚口の前に準備し、「ㄆㄛ(po)」と発音した時にテッシュが息で揺れたら合格!
中国語の有気音は、息の音が聞こえるかどうかで聞き分ける音です。
そのため、日本語の「ぽ」では息が足らず「ㄆ」の音と判断されないため、強めに思いっきり息を吐く事が重要です。
ㄇ:m(鼻音)
鼻音は、口を開ける瞬間に息を鼻に通して出す
「ㄇ:m」は、母音「ㄛ・o」をくっつけると日本語の「むぉ」に似た音になります。
コツは、口を開ける瞬間に息を鼻に通して出すこと。
日本語の「も」よりも更に力を入れて、小さく”ん”の音を前に入れて「んも」と発音するイメージです。
【唇歯音】ㄈ:f
- 唇歯音:上の歯と下唇を使って出す
- 形:両唇を「え」の口の幅にした状態で、上の歯を下唇に軽くタッチ
唇歯音は、唇と歯を使って出す音です。
ㄈ:f(摩擦音)
上の前歯と下唇との間に狭い隙間を作って息を出す
英語の「F」の音の出し方と同じで、下唇の内側を上の前歯で軽く噛んだ状態で音を出します。
この音は、日本語の「ふ」のように唇をすぼめるだけではダメです!
下唇の内側に上の前歯を当て、上の歯と下唇のわずかな隙間から思いっきり息を出て発音しましょう。
大袈裟に噛む必要はありません。軽く噛む程度でOKです♪
【舌尖音】ㄉ:d ㄊ:t ㄋ:n ㄌ:l
- 舌尖音:舌先と上の歯茎もしくは上の歯の付け根を使って出す音
- 形:両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
舌尖音は、舌先を使って出す音です。
ㄉ:d(無気音)
舌の先を前歯の裏の歯茎につけて、離す時に口の中で音を響かせる(無気音)
この音は、舌が前歯の歯茎当たりから下に動くときに出る音です。
舌の動きは、日本語の「だ」と同じ。
ただし、中国語の「ㄉ:d」は日本語の「だ」に比べ、もっと舌先に力を入れて思いっきり弾くのがコツです。
無気音なので、息を外に出さずに口の中で音を響かせることも忘れずに。
ㄊ:t(有気音)
舌の先を前歯の歯茎のあたりにつけて、離す時に息を思いっきり強く吐く(有気音)
舌の動きは、日本語の「た」と同じです。
コツは、舌先に力を入れて思いっきり弾くこと。
日本語の「た」では息の量が足りないので、テッシュが揺れるくらい息を強く吐きましょう。
ㄋ:n(鼻音)
鼻音は、口を開ける瞬間に息を鼻に通して出す
日本語の「な・na」の「a」をとった「n」の音です。
舌先を前歯の裏付け根あたりにセットし、舌先に力を入れて弾きます。
この音は息を鼻に通して出す鼻音なので、小さく”ん”を前に入れて「んぬ」のように発音するとキレイに発音できます。
ㄌ:l (側面音)
側面音は、舌の両脇から息を開放して出す
舌先を前歯歯茎の裏につけたまま「ら」と発音した後に舌を離します。
ポイントは、舌先をつけたまま音を出し、息を舌の両脇から漏らすように出すこと。
息を少し塞き止めて出すため、喉が他の舌尖音よりも振動するのが特徴です。
【舌根音】ㄍ:g ㄎ:k ㄏ:h
- 舌根音:舌の根元に力を入れて喉の奥から音を出す
- 形:両唇を「い」の口の幅にし、軽く口を開く
舌根音は、舌の根元を使って出す音です。
ㄍ:g(無気音)
舌の奥の部分を持ち上げて喉を塞ぐ(無気音)
舌の奥の部分を持ち上げて上あごの奥にくっつけ、舌を離した瞬間に出る音です。
舌の動きは、日本語の「が」を発音するときと同じ。
口を「い」の形に開き、喉の奥から息を殺して「が」と発音するのがポイントです。
無気音なので、息は外に出さずに口の中で音を響かせること。
ㄎ:k(有気音)
舌の奥の部分を持ち上げて喉を塞ぎ、離す時に息を思いっきり吐く(有気音)
舌の動きは、日本語の「か」を発音するときと同じです。
ただし、この音は有気音なので、息を思いっきり吐きながら発音します。
「い」の口で息を貯めて、喉の奥から息を吐きながら「か」と発音するのが◎。
すると、日本語の「く」に似ているけどちょっと違う「ㄎ」の音になります。
ㄏ:h(摩擦音)
舌の奥を持ち上げるが喉は塞がない
舌の奥の方を喉を塞がない程度に持ち上げ、息の通り道を微かに作ります。
その状態で息を吐いて出す音です。
口を軽く「い」の形に開き、喉の奥から「は」と声を絞り出すように発音するのがポイント。
英語の「h」の発音に近いです。
【舌面音】ㄐ:j ㄑ:q ㄒ:x
- 舌面音:舌の表面と下歯茎を使って発音する音
- 形:両唇を「い」の口の幅に最大限開く
舌面音は、舌の表面を使って出す音です。
ㄐ:j (無気音)
両唇を思いっきり横に開く
日本語の「じ」とほとんど同じです。
ただし、中国語の「ㄐ:j」は日本語の「じ」よりも口を横に思いっきり開きます。
怒った時に言う「いー」の口くらい大袈裟に。
その状態で「じー」と発音し、音は外に出さずに口の中で響かせます。
ㄑ:q (有気音)
両唇を思いっきり横に開いて多めに息を吐く
両唇を思いっきり横に開き、息を強く吐きながら「ちー」と発音します。
日本語の「ち」よりも更に横に口を大きく開き、思いっきり息を吐きながら発音するのがポイント。
テッシュを用意して、息でティッシュが揺れるくらい強く息を吐きましょう。
ㄒ:x (摩擦音)
両唇を思いっきり横に開いて、歯の隙間から息を外に出す
両唇を思いっきり横に開き、歯の隙間から息を外に出しながら「しー」と発音します。
日本語の「し」よりも更に横に口を大きく開き、歯の隙間から前に息を出すことを意識してみて下さい。
【反舌音】ㄓ:zh ㄔ:ch ㄕ:sh ㄖ:r
- 反舌音:舌を上顎の中央あたりで反り上げて出す音
- 形:両唇を「い」の口の幅に開く
反舌音は、舌を反らして発音する音です。
ㄓ:zh (無気音)
両唇を「い」の口幅に開いて、舌先を上顎の中央あたりに軽くあてる
この音は口の形が超重要で、「い」の口でキープします。
その口の形をキープしたまま、舌先を少しだけ後ろに引き上あごの中央あたりに軽くあてます。
舌が起立しているような状態になるので、そのまま「じー」と発音。
音を出すときに少しだけ舌先が離れて隙間ができ、「ヅ」のような「ジ」の音が出ます。
その音が「ㄓ:zh」の音です♪
「ㄓ」の音は無気音なので、息は外に出さずに口の中で音を響かせて下さいね。
ㄔ:ch (有気音)
両唇を「い」の口幅に開いて舌先を上顎の中央あたりに軽くあて、息を思いっきり吐く
「い」の口でキープしたまま、舌先を少しだけ後ろに引き上あごの中央あたりに軽くあてます。
そして音を出すと同時に舌先を上顎から少し離して隙間を作り、強く息を吐きながら「チー」と発音。
「ツ」のような「チ」の音が、「ㄔ:ch」の音です。
「ㄔ」の音は有気音なので、テッシュが揺れるくらい息を思いっきり吐きながら発音するのがポイントです。
ㄕ:sh (摩擦音)
両唇を「い」の口幅に開いて舌先を反り上げるが、舌は上顎につけない
口の形は「い」の口でキープ。
その状態で舌を少しだけ後ろに引き、「英語のR」を発音するときのように少し反らします。
この時、舌を上あごには付けず、少し隙間が空いている状態にするのがコツです。
その状態のまま、「シー」と発音。
「ス」のような「シ」の音が、「ㄕ」の音です。
ㄖ:r (摩擦音)
両唇を「い」の口幅に開いて舌先を反り上げるが、舌は上顎につけない
口の形は「い」の口でキープ。
口の中は「ㄕ:sh」と同じで、まずは舌を少しだけ後ろに引き、「英語のR」を発音するときのように少し反らします。
また、この時に舌を上あごには付けず、少し隙間が空いている状態にします。
その状態で「りー」と発音。
喉が震えるため、「り」とも「じ」とも言えない震えた音になります。
この音が「ㄖ」の音です♪
【舌歯音】ㄗ:z ㄘ:c ㄙ:s
- 舌歯音:舌の端と下の歯の裏を使って出す音
- 形:両唇を「い」の口の幅に最大限開く
舌歯音は、舌と歯を使って出す音です。
ㄗ:z (無気音)
両唇を思いっきり横に開いて、舌先を下の歯の裏側にくっつける
舌歯音も、口の形がとても重要です。
「い」の口よりも、更に大袈裟に両唇を横に引いた口の形でスタンバイ。
そして、舌先を下の歯の裏側にくっつけて、「づー」と発音。
ポイントは、日本語の「づ」のように口を丸めないことです。
ㄘ:c (有気音)
両唇を思いっきり横に開いて舌先を下の歯の裏側にくっつけ、息を強く吐く
「ㄗ:z」の音と同様に、口を横に最大限開いた「い」の形にします。
その状態で、舌先を下の歯の裏側にくっつけて、「つー」と発音。
日本語の「つ」のように口を丸めず、強く息を吐きながら発音するのがポイントです。
ㄙ:s (摩擦音)
両唇を思いっきり横に開いて、舌先を下の歯の裏側に軽くそっとつける
「ㄗ:z」の音と同様に、口を横に最大限開いた「い」の形にします。
ただし舌先は、「ㄗ:z」や「ㄘ:c」のようにしっかり歯に当てるのではなく、そっと軽く触れるくらいにします。
その状態で「すー」と発音。
そうすると、日本語の「す」よりも少し訛ったような音が出ますが、その音が「ㄙ:s」の音です。
以上が、子音の種類と発音の仕方でした。
中国語子音の勉強のコツとまとめ
子音は、母音のように単独で発音することはありません。
ですので、ここでは子音の種類と特徴が掴めたらOK。
子音の学習に時間を割くより、「子音と母音の組み合わせ405音」の学習に時間を割きましょう。
ちなみに…
中国語の発音習得は、母音と子音と声調を勉強して終わりではありません!
「子音と母音の組み合わせ405音」をマスターすることが、発音習得のゴールです。
通じる発音を手にいれるために、地道にコツコツ頑張りましょうね!
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